西澤形成クリニックについて

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2016/8/22

入れ墨除去について:基本的にレーザーで取れる物については、レーザーで治療するのが良いと思う。それ以外の方法としては、切開して縫縮したり、ハサミとメスを使って色素部分だけを削り取るとか、植皮する等の方法がある。レーザーの場合には、取れやすい色と取れにくい色とがある。黒、茶、青、緑、紫等は取れる場合が多く、赤はQスイッチヤグレザーの半波長(532nm)に反応して取れやすい。しかし、水色、黄色、ピンク、オレンジ等はレーザーでは難しい。更に、黒でも深く濃く入っている場合取るのは大変である。切開では、一度である程度の範囲(皮膚のゆとり分)は取れるが、大きさに限界があるのと傷跡の欠点がある。レーザーでの対応が困難な場合や本人の強い希望に限る方が良いようである。削り取りはレーザーに反応しにくい場合には良いが、傷跡瘢痕の欠点はある。又、植皮は採皮部分が必要であり、植皮部分の色調、質感の問題や入院管理など適応は限られると思う。レーザーの最大の長所は皮膚の欠損がない事だが、回数の問題(特に慣れていない医師では、回数がかかり易い。又、麻酔なしで行う所もあると聞くがそれでは強く当てられない。)や治療後の色素沈着などはあるが、利点の方が大きい。それゆえ、入れ墨除去では先ず第一選択となる物である。しかし、器械の設備や医師の習熟度、施設により高額な料金等があり、見極めが求められる。

2016/8/1

眼の回りの手術について:多くの人が、何となく聞いた病名を使って伝えて来る事がある。例えば、加齢と共に上瞼がタルンデ被って来て、視野が狭くなり見づらくなった状況を、眼瞼下垂(がんけんかすい)と言って来る事が時々ある。このケースは、眼瞼下垂ではなく上瞼の被りの問題なので、タルミを処理して二重のクセ付けをする事で、上瞼をスッキリさせ問題を解消する事が出来る。一方、眼瞼下垂とは、上瞼を挙げる筋肉の力が弱くて、眼の開きが不十分な物である。先天的な場合と後天的な物がある。どちらも、片目のケースが多いが、それは自分で左右差に気付き易いからだろう。手術方法としては、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)を短縮して、眼の開きを改善する物である。方法的には、瞼の裏側から糸で留めるやり方と、表側から切開して皮膚のタルミも処理しつつ、眼瞼挙筋を短縮する方法とがある。後天的なケースは、長期のハードコンタクトレンズの使用による挙筋の傷つきや、加齢による挙筋の弱体化が多い。これらの場合、一般に軽度であり裏から留めるだけで改善され易い。次に、目頭切開という手術があるが、これは眼の内側に被るヒダ(蒙古ヒダ)を開放して、いわゆる平行型の二重を作り易くするとか、眼が離れている感じを近づけたいというような場合である。正しい術式でしないと、効果的でないばかりか傷跡だけが残っている例を、しばしば見かける。これは、適応を無視してただヒダだけを切除して、縫っているだけの所があるからである。医者側の知識、技術や経験の不足しているケースもあるので注意が必要である。

2016/7/19

脂肪吸引手術のメリットとデメリットとは:先ず、脂肪吸引手術の効果ついてであるが、あくまで形態の改善が主である。即ち、極度の肥満者が体重が極端に減ると期待するのは無理である。何故なら、この手術で取る分の脂肪はあくまで皮下脂肪のみであり、内臓脂肪等は取れないからである。極端に太っている人の腹部でも吸引出来る脂肪の量は2リットル程度であり、通常の人は0,5~1リットル程である。この場合、体重にして2~3kg位迄である。ただし、体型の補正効果としては腹囲で10cm位迄の減少は期待できる。又、肥満者において高血圧や糖尿病の改善、足、腰の関節に対する負担軽減効果がある。更に、こういった手術を機に本格的に減量に取り組む人もいて、結果的に全身的な健康への寄与も期待できる。一方、デメリットは何かというと、技術的にキチンと出来ないと効果はないし、満足度も当然低くなる。又、関連して怪しげな注射による方法や新しいというだけの効果の少ない方法を喧伝する所もある。結果的に、満足度の低い治療に高額の料金を取られる事になる。そもそも、未熟な技術のクリニックが多い事が、この手術の誤解や偏見を生んできたと言える。手術自体は、既にチューメッセント法と呼ばれる、麻酔を含む大量の水分を注入する方法により安全で効果的な方法として確立して来た。しかし、麻酔の知識の無い医者や技術、経験不足の医者が多いため、キチンとできずおかしな方法も横行している。何事でも、良い方法が確立されたなら、それを極めるという姿勢が大事なのである。

2016/7/4

マンマバッグの長期予後等について:他院で入れたバッグを除去して欲しい(この場 合に同時に脂肪注入を希望される事が多い。)という依頼を受ける事がしばしば有る が、それは入れた所での対応が不親切な場合が多い。それゆえ、特にジェル状内容物 のバッグを入れた場合の乳腺への影響や皮膚の形状の変化について述べておく。先 ず、バッグの直接的影響として乳腺に対する下方からの押し付け圧迫がある。この 為、授乳期以前の人では、シリコンバッグを入れるのは極力さけたほうが良い。乳腺 圧迫の影響としては、乳腺が薄くなり固くなり易い。この為、授乳への影響が懸念さ れる。更に、ジェル状の内容物の染み出しによる影響も否定できない。この点につい ては、生理食塩水のシリコンバッグは安全といえる。一般に、バッグを入れようと考 える人は乳房の小さい人が多いので、よりこういう影響を受けやすい。何故なら、皮 膚のゆとりが少なく内圧が上がり易いからである。更に、長期間(10年以上)経つ と染み出しによって組織反応は強まり、拘縮という異物を閉じ込める反応がより起こ り易くなり、ボール状に固まるので固く違和感が強くなる。この場合には、バッグの 遊びのスペースを再確保する手術が必要だが、実際には難しい。何故なら、劣化した シリコンジェルバッグが容易に破損しバッグの再利用は困難である。又、流れ出した シリコンジェルの回収も実際には結構大変な作業であるからである。このような事か ら、乳腺への安全性や豊胸効果の改善から、近年は脂肪幹細胞を利用しつつ自己の脂 肪を注入するのが良いとされているが、知識や経験及び技術的な事で出来ないか、か なり高額な所が多い。更に、遠心分離などのいわゆる加工処理を加えると厚労省への 届け出が義務付けられるようになり、嫌でも個人情報が流れる事になる。この為、当 院では加工処理を加えないで、脂肪幹細胞を利用した脂肪注入法を行う事で、効果を 減じる事なく届出の必要もなく、安価で対応するよう心がけている。

2016/6/20

ワキガについて:いよいよ、うっとうしい梅雨の時期に突入してしまいました。この 時期は湿度も高く、むし厚い為にニオイには敏感になります。特に、ワキガで悩んで いる人達は治療を考えているでしょう。ワキガは遺伝性の高い物ですが、巷では人に うつるような物だと誤解している人もいますが、そうではありません。アポクリン汗 腺という汗の腺から出る分泌物が、皮膚表面の細菌と反応してニオイの基となりま す。皮膚表面を清潔に保つ事は予防にはつながりますが、あくまで対処療法です。手 術としては、吸引法が一般的です。数ミリ切開して、アポクリン汗腺を吸い取ってし まう方法です。これにより、ほぼニオイは除去できるので効果的な方法です。30分 程度で終わり、通院も不要です。2~3日は腫れ留めとして固定をしますが、日常生 活にはほとんど支障のない物です。あくまで手術ですので、どの程度吸い取った方が 良いかの判断として、経験が重要です。中には、皮膚が極端に薄い人や発毛範囲が広 くニオイも強い人など種々ですから、術後管理も含めてそれぞれに対応した知識が必 要です。最近は器械でする所もありますが、時間もかかり、料金もかなり高いように 思います。腫れや比較的早い再発もあり、これも施設の対応差があるでしょう。術者 側も新しい方法だと、どうしても手さぐりで、慣れるまで時間が必要です。当院で は、吸引法でやってその後に、まだ症状が気になる人には、切開法を差額の料金で受 けられるようにしています。しかし、実際にそこまで必要だという人はほとんどいま せん。すごく神経質な人や皮膚がごわごわ厚く、ニオイより汗の方が特に気になるよ うな人、他院で治療したけれど結果が不満足だった人達には切開法をお勧めします。 これも、一、二度の通院ですみますから左程負担になる手術ではありません。又、傷 口はシワに沿っているので、ほとんど目立たなくなってしまいます。どんな治療法で も、知識と経験がないと良い効果は得られませんから、新しい治療法だというだけで 飛びつくのは危険です。

2016/6/6

シミ、イボ、シワ、タルミに薬や化粧品が効くのかを考える:先ず、シミを薄くする のに、最も有効と考えられる軟膏の一つとしてハイドロキノンがある。これを使用し た場合、シミが取れるかというと、仲々難しい、仲には一部取れたという人もいる が、炎症後の色素沈着に対しては早く薄くする効果はあるが、一般のシミを完全にキ レイに取るという所までは先ず無理である。イオン導入器などを使っても、クスミな どは即効的に薄くなるが、恐らく角質レベルでの変化なので、持続しないと良い状態 は保てない。肝斑でも、これ以外にビタミンCやトラネキサム酸が効果もあっても、 一時的に薄くなる程度である。肝斑では、皮膚深部からメラニンが産生されて浮き出 て来るため持続して使う必要性もある。これに、ヤグレーザーを弱いレベルで当てる と一時的に薄くは出来る、しかし繰り返した場合には、ほとんど出なくなる場合は稀 であり、やりすぎると逆に色素脱失して白くなってしまう。イボはどうだろう。実際 にイボを直接完全に除去すると、皮膚表層の角質程度に留まる物もあるが、多くはそ の下まで及んでいる。この為、飲み薬にせよ塗り薬にせよ取れる限界がある。それ は、皮膚が代謝により入れ替わるのは角質までだからである。良い例が、皮膚深部側 に角質の過剰増殖した、いわゆる魚の目や逆方向に出来たタコは薬で取れる事にな る。やはりイボは、電気メスやCO2レーザーで焼きとるのが確実ということにな る。それでは、シワ、タルミはどうだろう。コラーゲンやヒアルロン酸入りの、高い 化粧品や飲み薬の効果である。皮膚には外界の物が侵入しないようなバリアーの機構 がある。その為、多くは皮膚表面に留まり、なんとなく潤った感じになる物である。 多くが、皮膚表面の保湿効果と言えるだろう。仲には、細胞間隙を通過するようなナ ノレベルの分子量の物もあるが、溶剤としての基材も含むので、皮内に入るとしても 極めて限定的であろう。ただし、長期使用で保湿効果やマッサージ効果によるシワ予 防効果はあるだろう。そういう意味でケアすることでタルミにも効果があるとも言え るが、一旦できたシワ、タルミに対する効果は限られる。飲み薬の場合は、体内で分 解吸収されるので、直接作用する事はない。シワ、タルミには手術以外ではヒアルロ ン酸を直接注射したり、器械を使って皮膚深部の加熱効果でコラーゲンを引き締める しか無いだろう。選択肢に迷ったら、専門家に相談するのが良いと思う。

2016/5/23

プロテーゼにつて考える:最近、他院で治療した後の各種プロテーゼ(人工挿入物) を除去して欲しいという問い合わせが多いので、それについて書いておきたい。その 理由の多くは、治療を受けた病院でその後の治療はしないという無責任な態度を取ら れたり、異常なしと扱われ困った患者たちが当院を探しあてて来るケースや、そこに はもう掛かりたくないというケースなどである。先ず、鼻の場合のシリコンプロテー ゼであるが、多いのは局所的な炎症を起こして、赤味が出たり、一部が飛び出すケー スである。加工を丁寧に行い、無理のない程度の物を入れて於けば、通常問題は発生 しにくいが、多くは適切な加工が加えられていない。私が考える、鼻プロテーゼの絶 対適応は先天的なケースである。例えば、兎唇(としん:口唇裂の事)による鼻尖部 の引きつれであるとか先天的な鼻骨、鼻軟骨の形成不全などであり、プロテーゼでな いと形を支え難い場合である。一方、普通の人が鼻筋を通したいとか、鼻先を詰めた いという場合には、耳介軟骨を使う方が自然で違和感がない上に安全であり、適して いると考えられる。それ以外のプロテーゼとして問題が多いのは、豊胸用バッグであ る。内容物が、シリコンジェルやムコ多糖などの物である。生理食塩水バッグとは異 なり、体内での異物反応が強く起こる傾向が見られる。特に、10年以上経つと、内 部のジェルが染み出し易いので、その部分に砂粒のような粒状の石灰化を起こした り、周囲の被膜との癒着を起こし、引きつれや局所的な変形や破損を起こして来る ケースもある。更に年数がたつと、かなりの頻度で拘縮反応を起こす。これは、バッ グを被膜が閉じ込めた状態になり、野球の硬式ボールのように固くゆとりの無い状態 になるものである。この時、全体的には多少の可動性のある場合もあるのだが、再度 被膜スペースを広げて元に戻すのは困難であり、一旦除去する方が良い。その後に、 豊胸用ヒアルロン酸を入れる所もあるが、これは費用対効果が悪い。又、入れすぎる とこれがシコリになり、ヒアルロン酸の分解酵素を使わないといけなくなる。当院で は、バッグ除去と同時に自分の脂肪を注入する事が出来るので、生理的であり形状も 保たれるので、多くのこういった人達の満足が得られている。当院では、このような 異物治療は極力使わない方針で、一貫して治療を行っている。

2016/5/9

タルミ取りの話、手術編:治療効果として、即効性を求めると、勿論、知識や経験が あっての事であるが、手術による方法が一番である。一般に多い、タルミ取りの部位 としては、眼の回りである。上瞼のタルミの場合、皮膚が腫れぼったいとか、瞼が開 きずらいとか、視野が狭くなった等の表現をされる事が多い。上瞼のタルミが加齢と 共に多くなった場合に、適切な余剰皮膚の切除と必要に応じた脱脂や、皮下組織を除 去した上での二重のクセ付けですっきりさせる事が可能となる。この場合も、二重の 幅はある程度本人の希望に応じて決める事が可能である。一時的な腫れや内出血は起 こりうるが、落ち着くので満足度は高い手術と言える。場合により、本当に瞼が挙げ ずらい、いわゆる眼瞼下垂(ガンケンカスイ)の人もいるが、これはタルミ取りとは 違い、眼瞼挙筋(ガンケンキョキン)の短縮によって改善させられる物である。次 に、下瞼のタルミであるが、加齢と共に支持している靭帯が緩んで来る事によって、 いわゆる涙袋がタルンデ、老けたり疲れた顔のイメージになりやすい。鼻頬溝線(ビ キョウコウセン、いわゆるゴルゴ線の事)にヒアルロン酸を注入するのも、ある程度 クボミを平坦化させるので効果的と言える。しかし、涙袋(実際には脂肪による膨ら み)が大きく、タルミが大きい場合は、脂肪(下瞼には内、中、外と3ケ所ある)を 除去して、眼輪筋を持ち上げタルミの皮膚を処理して、眼の下縁で縫合するのが効果 的である。頬がタルンデ、いわゆるブルドッグ顔になっている場合には、脂肪が多い か少ないかによって変わってくる。脂肪が多く皮膚が厚い場合は、脂肪吸引の方が効 果的である。これだけで十分な場合もあるが、タルミが極端に大きい場合には、その 後に余剰皮膚のタルミ除去を必要とする場合もあるが、そういう例は比較的少ない。 一方、脂肪が少なく皮膚が薄くタルミが大きい場合は、耳前部周辺で皮膚のタルミ処 理をする。この場合、顔面の表情筋のタルミもあるので、その筋膜部分も同時に引き あげる方が効果的である。この場合に、腫れが少なく、内出血もほとんど無く出来る ので、すぐに仕事に復帰可能であり、治療効果と共に人気がある。その為、二度、三 度と希望する人もいる。以上が主な、顔面のタルミ取りである。最近は、額やこめか みのタルミを毛髪内で処理する事は減っている。むしろ、器械での引き締めの方が良 い。脂肪層がほとんど無く、皮膚直下が骨なので引き締め効果が出やすいのと、手術 による毛の生えにくい部位が出来る心配も無いからである。どうすれば良いか、悩ん でる人は一度相談してみるのが良いだろう。

2016/4/25

タルミ取り治療の話:顔などのタルミ取り治療は、手術による方法と器械や注入物に よる方法とに大別出来る。勿論、手術の方が即効性があるのだが、一方でその手術が スタンダードでない場合には効果的でない場合もありうる。今回は、器械によるタル ミ取りにつき説明する。タルミを引き締める作用としては、熱作用により自身のコ ラーゲン(線維組織)を引き締める効果と、自己コラーゲン産生による皮膚ボリュー ムの増大効果である。器械によるタイプとしては、ラジオ波(一般にRFと表記;電 気の事)という通電タイプと特殊な光や超音波等を当てるタイプとに大別できる。ラ ジオ波は通電タイプなので、どうしてもビリツとした痛みが強いのが欠点で、バイブ レーション機能を加えるなどして改良はされているものの、痛みに敏感な人には向か ない。作用部位が浅い所から機種として、オーロラ、ポラリス、サーマクール等が代 表的な物である。サーマクールが一番深部まで影響するのだが、その分一番痛みも強 いのと脂肪層の萎縮やヤケドに注意が必要である。又、専用カートリッジでショット 数が決められているので、少しだけ当てたい人にも向かない。タルミ取り効果の感じ 方には個人差が出るが、これは皮膚の厚い人と薄い人との差が最も大きな要因であ る。即ち、皮下脂肪の多い人では、持ち上がり効果が分かり難くなりやすい、そうい う人ではむしろ脂肪吸引の方が適する。ラジオ波以外のタイプでは、光治療器やレー ザー、近赤外線治療器、超音波装置等がある。光治療器の引き締め効果は若い人では 十分だが、どちらかというと各種の色素疾患を除去する美白効果がメインである。 レーザーとしてはヤグレーザーや半導体レーザー等があるが、必ずしも引き締めに特 化しているとはいえない。近赤外線治療器は長い波長帯の光で皮膚深部に作用し引き 締める物である。タイタン(波長帯1100nm~1800nm)に代表される物で、メカニ ズムの安全性とショット数の自由度、痛みがほとんどない事やサーマクールにほぼ匹 敵する作用部位等から、ほぼ理想的なタルミ取りの器械と言える。ただ一点残念なの は、消耗用品のヘッドが高額な点である。更に、最近はウルセラ社からウルセラシス テムと呼ばれる高密度焦点超音波による物として、顔面の皮膚筋膜迄到達して熱凝固 を加えられる物が出ている。ただし、作用部位や痛みの問題、その他の副作用を含め 日本人に適する安全な物かどうか今後十分な検証が必要である。当院では、タルミが 気になる中年以降の人にタイタン単独かタイタンと光治療器の複合治療が効果的と考 えお勧めしている。

2016/4/11

二重の話;二重手術に最も適する糸の太さは、7-0という髪の毛程度の太さの糸である。これより一回り太い6-0という糸を使っている所も多いのだが、太い分異物感が強かったり、結び目がシコリとして表面から分かり易かったりする。逆に、8-0では細すぎて保持、固定力が足りない。使う針については、瞼の裏側の瞼板という軟骨組織を貫ける強度を持ちつつ、なるべく細い丸針が適している。これにより、針孔を最小にし極力内出血を抑えられる。留め方については、なるべくシンプルにしつつ、その人に合った深さや留める部位を決める必要がある。又、より戻り難い留め方にするか等を、受ける人の瞼の状態によって判断し微妙に変える必要がある。以上のような事から、6-0などで無理やり埋没法で二重にする所もあるが、腫れや異物感が強く、落ち着いたら二重が戻ってしまうという事も起こりうる。埋没法という、糸で留めるだけで二重にする方法には、自ずとその適応に限界がある。この方法の適応は、ある程度二重のクセが出来やすい人に限られ、術式は必要十分なシンプルな方法にすべきである。一方、瞼が腫れぼったく厚い人は、脱脂や皮下組織の部分除去をして構造的に二重になり易くしてから二重を作る必要がある。そうでないと、持続的な二重を保つ事は難しい。この場合に、小切開(3mm程度)で行い、抜糸なし(通院不要という事)でする事が可能である。又、二重になり難い瞼もある。一つは瞼の皮膚のゆとりが極めて少ない場合であり、もう一つは上瞼のクボミが強い場合である。更に、加齢や長期ハードコンタクトレンズの使用、先天性の場合などの眼瞼下垂という眼瞼挙筋(ガンケンキョキン;瞼を挙げる筋肉)の弱い場合も、そのままでは二重になり難い。これらの場合は、いずれも眼瞼挙筋を短縮する事で、瞼の押し上げを助ける事で二重が出来やすくなる。この眼瞼挙筋の短縮は、瞼の裏側から留めるだけで、比較的簡単になりやすい人と、前面から挙筋をしっかり切開して留めないと難しい人がいる。微妙な調整を要しテクニックを要するが、女性で加齢やコンタクトレンズの長期使用者などは、比較的修正しやすい。この場合には、二重手術と違い筋肉をしっかり保持するために、6-0の糸を用いる。以上、二重手術を安易に考えている人や、適当に扱っている病院もあるのだが、解剖的理解が重要で個人差も多いのでよく理解した上での受診をお勧めしたい。

2016/3/28

脱毛の話:先ず、脱毛の器械にとって大変重要なことに、治療器のパルス幅(発光時間)がある。脱毛には、これをある程度長くする必要があり、通常10ミリ秒以上が必要といわれている。逆に長すぎると、暗い皮膚には安全に使えるが、ターゲットへの効果が弱まってしまう。このパルス幅が短いと、皮膚の色素性疾患(アザ、シミ、刺青等)を破壊するのに向いている。脱毛には「ジュ」とあてるより、「ジュワ」と当てるのが効果的だというイメージである。一方、器械の波長については、およそ700nm~1000nmが有効範囲とされているが、どの波長が最も有効かは特定されていない。波長が長いほど皮膚深部に到達する事にはなる。脱毛のメカニズムは、毛根のメラニンに熱エネルギーを加え、蛋白変性させて不再生を起こさせる物である。そして、永久脱毛にはメラニンの多い毛幹部よりも、その周囲にありメラニンの少ない毛包上皮にある幹細胞に作用させる事がより重要なのである。一方、脱毛効果とヒトの毛周期はあまり関係ないと言われているが、生えている毛の中で休止期の毛が最も脱毛効果が高い。ヒトの毛周期は部位により異なり、最短の上腕部で4~6か月で最長の背部、大腿部で6~12か月であり、通常1ケ月程度の間隔で治療を行えば良い。脱毛が初めてで毛量がそれなりに多い人でも、10回位の治療で機種にはよるものの永久脱毛は可能である。FDA(米国食品衛生局)が認める永久脱毛器はサイノシュア社の半導体レーザーとパロマ社の2機種である。現在はコヒレント社のライトシェア(半導体レーザー)やアレキサンドライトの上級種でも可能と思われる。他の機種は一時的脱毛で、最長でも90日程度の脱毛と言われている。レーザー脱毛では、ヤケドと色素沈着(シミ)が最大の合併症であり、その為治療期間を空ける所もある。国内ではキャンデラ社のアレキサンドライトレーザー(ジェントルレーズ、パルス幅3ミリ秒、波長755nm)が最も普及しているようである。価格や処理スピードなどの操作性からのようだ。実際に、半導体レーザー(パルス幅20~30ミリ秒、波長800nm)とアレキサンドライトレーザーを使っている所では脱毛効果に関しては半導体レーザーが優れるという報告が多い。当院ではパロマ社の光治療器(パルス幅10~100ミリ秒可変式、波長帯525nm~1200nm)を用いており、永久脱毛に必要なパラメーターをクリアしている。レーザー脱毛に比べて、静かで威圧感(レーザー脱毛ではバチバチうるさく、衝撃も強い)もなく、ヤケドや色素沈着も起こす事はまずない。一時的脱毛で満足できない人や、レーザー脱毛が合わなっかった人などに特におススメだと思っている。

2016/3/13

シミの話:従来、日光角化症のような、日焼けが原因のシミの場合にQスイッチルビーレーザー(以下Qルビー:694nm)が最も良いと言われてきた。しかし、近年シミのメラニンに最も取り込まれ効果的なのは、現存するレーザーの中でQスイッチヤグレーザー(以下Qヤグ:1064nm)の半波長532nmであると分かっている。実際に両者を使って来た経験からすると、Qルビーはシミは取れるが、その後の色素沈着が20%程度あり悩ましかった。ハイドロキノンなどを使っても、数か月を要したからである。Qヤグの半波長で使った場合、この色素沈着が極めて少ない為ストレスが無くて良い。更に、Qヤグの方がスポットサイズが小さいので小さなシミにも適している。又、ショットを秒間10ショットまで変えられ、短時間での処置も可能である。Qルビーと比べて温度、湿度の条件も軽く、更にコンパクトになって100W(Qルビーは200Wだった。)なのも手軽である。ただし、いずれにせよレーザーで治療後は1週間程度肌色のテープを貼ってもらう必要がある。(上から化粧は可能。)それが嫌だという人や、顔中広くシミやクスミが気になる人には光治療器が向いている。当院の物は400~1400nmと波長帯が幅広く、更にフォトリサイクリングシステムを用いている為、他の機種より効果が高いと言われている。そして、様々な表在性色素疾患(クスミ、シミ、ホクロ、ニキビ、毛穴の黒ずみ、毛穴の引き締め、永久脱毛等)に対応できる。一般的経過としては、直後にクスミが取れ逆にシミがはっきりして、コントラストが増すが、4~5日で点状のシミが落ちて一肌むけたような良い肌質に変われるので人気がある。又、レーザーより低料金(当院では、頬全体で一回1万円、顔全体~首までとビタミンCのイオン導入を付けた場合一回2万円)で治療できる。一か月位あけて2~3回繰り返すと、より効果的である。紫外線の強くなる5、6月以前に一旦肌をきれいにしておくのも良いだろう。化粧品など使って、取れないと諦めていた人にも効果が実感できる筈である。

2016/2/29

財政再建を考えるの巻:日本はいわゆる官制不況に陥り、個人消費は低迷している。原因は政策による、将来に対する不安が大きい。数年前にいきなり、バブル期以降の国の借金が1000兆円に及ぶ事をカミングアウトされたのだから、国民は寝耳に水である。本当に、20年足らずでそうなっているのか信じられないが、本当だとしたら財務省はなんて無責任で無能な集団だろうと思ってしまう。自然につぶれるバブルに対して、総量規制で無理やり潰した日銀の三重野総裁の責任はどうなんだろう。当時、そのせいで首を吊った人達も多数いた。それでも、国民の資産がそれに匹敵する位あるとか(それでは、国民の全財産没収ですか?)、日銀が買い取っている国債を持ち続ければOKとか(それ自体禁じ手ですけど。)、という楽観論を言われても説得力は無い。借金を返さなくて良いなら誰も苦労しない。アベ政権は、インフレ政策や場合によっては戦争でもやって借金をチャラにしようという位、軽く考えていないだろうか。私の提案は、借金返済の為だけに、毎年25兆円分程度紙幣を増刷するという物である。(実際には、先ず日銀の国債保有分を毎年25兆円分ずつ債権放棄して廃棄すれば良い。)そして、40、50年で借金0を確実に目指せば良い。失政による借金を、全て国民に押し付けようとするから悪いのである。そして、現在でも経常収支が取れていないのだから、例外なく税金を平等に取る。(宗教法人やNHKなどの特殊法人への課税等。)公務員の給与(国民の2%なのに、25兆円もの税金がかかっている。)を民間並みに改正する。(現行では、40歳以下の平公務員の給与の査定を大企業並みに算定しているが、全公務員を全企業平均程度にする。)又、脱税の多いパチンコ業を国営にするとか、同じく弁護士を公務員化するのも一考である。問題の多い介護業務も公務員化するなどし、労働分配率を適正化すべきである。法務局のように印紙を渡すだけにボックスに2人いるのは必用か?自販機にすれば良いだけである。狭い駐車場に警備員もうようよいる。ハローワークや労基も規模縮小で良くないかい。とにかく暇だから、仕事が遅い上にふんぞり返っている所が多すぎる。社会保険事務所に至っては、勝手に年金事務所になって、別に広域センターなるもの迄作って仕事を煩雑化させ、一般の人を騙そうとしているようにしか見えない。パスポートの発券も非科学的で、窓口に人が多い。そのせいで、発券料金も高いのかい?合理化すべき所はしなくてはならない。「積極的平和主義」と唱えるなら、普天間の跡地にシリア難民でも受け入れたらどうなの。平和利用目的なら沖縄の人も反対できないんじゃないの。工夫すれば、消費税増税は不要になり年金不安も解消されて、国民の消費も伸びるというもんだ。とにかく、公平で公正な社会の実現を目指すべきだ。民主党にも、もう一度しっかり見直して国民の期待に応えられるように政策の準備をして欲しい。最後に、本業に立ち返って一言。シミ等で悩んでいる人達は、化粧品や飲み薬では、そうそう良くならないから、うちでフォトフェイシャルをした方が費用対効果もよっぽど良いと付け加えておこう。

2016/2/15

最近世の中が変わって来ている気がするよ:良い意味で、人々の意識が変わり始め、段々良い世の中になって行く気がする。日本でも4月から、電力の自由化が始まり、更に様々な分野で既得権を打ち破るような民営化の動きが広がる予感がする。一方、美容外科業界に眼を転じると、中国、韓国で廃業する所が増えている。今までのデタラメの治療から患者が逃げ出したという事である。全体に、ナチュラル志向になって来ており、ようやく私が一貫して主張して来た異物や危険な薬物等による治療はなるべくしない方が良い事が分かって来たようだ。国内では、消費者センターへのクレームが急増しているとの事である。ほとんどがチェーン展開している所の物のらしい。チェーン展開している所では、美容皮膚科として器械を使ったり薬物を使用する治療が主体であるが、危険や無意味な薬物等の使用に対して利用者は減って行くことだろう。例えばボトックスについては、国は眉間の過筋緊張によるシワに対してのみ使用を承認しているが、適応は実際には少ない。そこで、どこにでも打っているようだが、足を細くする為にふくらはぎに打って筋力を下げて細くした場合に、静脈のポンプ作用も同時に低下してしまい極度の冷え症になったりする。しかし、患者はそれに気づかなかったりもする。このような例(もっと重篤な物も色々あるが。)は、沢山あり、顕在化しなかったり、数年後に問題が発覚する事もある。日本人は性善説で判断し、CMなどを鵜呑みにして物事を考えない人も多いが、冷静に判断できる人も増えていくだろう。一方、当院のようにキチンと手術もして、安全性を最優先して治療をしている所とは、既に棲み分けが出来ているので問題はないと思っている。話は変わるが、この新着ニュースを読んでいる人達は、地元の仙台周辺が1/3で、残りが首都圏を中心にした大都市圏と海外の人達である事が分かっており興味深い。前回、インフルエンザワクチンの話をしたが、これを打ってもインフルエンザに罹り、逆に不顕性感染(症状は出ないが感染している事。)を起こす事が分かった。これは、十分な抗体を作らないという事を意味している。そして、二次感染した時に重篤化する恐れがある。時々、老人ホームでインフルエンザの集団感染で多数の死者が出る事がある。ワクチンの接種は義務付けられているので、こういう事ではないかと思っている。最近、肺炎が死因の3位に上昇した事にも、ひょっとしたら関係があるかもしれない。発熱して大変だからと、ワクチンを打たせたがる医者もいるが、発熱することで抗原、抗体反応が起こり、貴重な自己抗体が出来上がるのである。どうしても、必要で打つ人は勝手だが、便利さの影にはリスクもあるかもしれない事は、頭の片隅に置いておいた方が良い。「効いたよね、早めのOOOO」というCMがあるが、これはあくまで初期症状を緩和したという意味である。風邪の時に、早くから解熱剤を飲むと結果的に風邪が治る期間は長くなる事が知られている。薬には功罪ある事を知っておかなければならない。そもそも、資本主義経済と医療行為は相容れない要素が強い。何故なら、過剰投薬や検査する医師や下手な手術を繰り返し行う医師の方が、経済的には有利になってしまうからだ。結果として、真剣に医療に取り組まない医者が増える事になる。内視鏡による肝切除で多数の死者が出ていた事など記憶している人も多いだろう。(専門家によると、簡単な手術をわざと難しくしてしまった。との事である。)医療の倫理観という、これも性善説に立っての事だが、現実には違う。保険診療は患者サイドには良いのだが、医者をダメにするリスクを孕んでいる。良心的な医師が経済的な事に腐心せず治療するには、治療以外の部分は極力無駄を省く環境作りをしなければならない。ましてや、幸福の医学と呼ばれている美容医療では、より一層の道徳倫理観の人間性が求められている。派手な広告展開や多くのスタッフを使った囲い込みなど経済市場主義でやっているのは、もっての他なのである。受ける側も賢さが求められる時代である。

2016/1/29

免疫の話:最近は腸が第二の心臓と言われるようになり、免疫機構として注目されて いる。ほとんどの病気が、生活習慣に起因するので自己管理が病気予防の最大の因子 である。西洋医学が病気だけを見て、いわば力でねじ伏せる治療であり、自ずと限界 がある。一方、東洋医学は人体の状態を陰陽で判断し、自己治癒力を引き出すため の、針、灸や漢方薬による治療であり、西洋医学で補えない部分(特に慢性疾患や難 病等)に向いているように思う。昨今のサプリメントのブームもこういう所に通じて いるように感じる。人体には、外敵である細菌やウイルス等に対して、抵抗する力が あり、それを免疫力と称している。これらの外敵物を抗原といい、それをやっつける のに必要な物が抗体である。そして、その予備訓練としてワクチンがあり、そこで自 分の体の中に抗体のひな形を作って準備しておくわけである。そして、いざ強力な外 敵が来ても、すぐにそのひな形に合わせて抗体を大量生産して軽く相手をやっつける 事になる。しかし、免疫力が落ちた状態、即ち疲労や衰弱、糖尿病等では十分機能せ ず病気になりやすくなる。一方、最近のワクチンは本当に必要か疑問な物もある。数 年前、新型インフルエンザが外国で流行した時に、スペイン風邪のように日本で最悪 数千万の死者が出ると騒がれた。そして、街中マスクの人だらけの光景が見られた。 実際には、50代以上の人達は抗体をもっており、ほとんど罹る事はなかった。昔、似 たタイプのインフルエンザが流行したという事である。一方、これのワクチンを打て ば仮に罹っても重症化しないと言われていた。しかし、ワクチンを打っていた九州の 若い看護婦がこれに罹って死亡した事が報じられ、このワクチンの信ぴょう性が疑わ れた。他方、米国では多少流行したが、日本と違い全く騒ぎにもならなかった。衛生 管理の悪い地域で初期に死者も出たが、いまどきの情報社会で先進国でパンデミック (大流行)になり、深刻化するのは考えずらい。一般のインフルエンザワクチンは日 本では、毎年の恒例行事のようになっているが、これが果たして有効なのか全く不明 である。ワクチンを打った人の方が、よくインフルエンザに罹るという笑えない話も ある。このワクチンの有効期限は打ってから3週間だという専門家もいれば、抗体が 出来るのに2~4週間かかるという専門家もいて、定かではない。そもそも、十分な抗 体が出来ていないのは間違いないだろう。こういうワクチンを打ち続けることで、自 分の体で抗体を作る事を怠けてしまい、免疫力が弱まる心配がないかと思ってしま う。そもそも、A,B型とその亜型でも主な型は2,3種類で、ワクチンなど打たなく ても、せいぜい2,3回ちゃんと罹っておけば、そうそう罹る事はない筈である。最近 は、肺炎球菌ワクチンのCMも見かけるが、肺炎が死因の第3位というのと、このワ クチンの因果関係は無いのに結びつけて宣伝をしている。きっと、ワクチンはいい商 売なのだろう。なんでも鵜呑みにせず、自分の事は自分で守る覚悟が必要である。

2016/1/18

正確な情報伝達の困難さと公衆衛生行政:少し前の事であるが、TVで有名タレントを使って、「日本人の5人に1人は結核かもしれませんよ。」という脅迫めいたCMが流れていた。答えは「そんな事はありませんよ。」と言いたいが、その真意はよくわからない。国内の新規結核患者数は減少傾向で、2001年の3万5489人から2011年には6割程度の2万2681人に減っている。主因はハイリスク高齢者の自然減と思われる。一方で、この患者数は米国の4,3倍、カナダの3,8倍と先進国では断トツに高い。原因は、行政の無知、無策と言わざるを得ない。若年者では幼児期のBCG接種(結核用ワクチン)の有効性は明白で、若年者の発症を抑えている。2003年に小学1年と中学1年のBCG再接種は廃止されたが、これは海外でのランダム試験などの結果、不要という結論に至ったためである。そもそも、ツ反(ツベルクリン反応)の感度は鈍く、30mm以上の強陽性でも、結核と診断できない。強陽性の場合、1064例で調べた結果89,0%が感染していなかったという報告がある。非感染者を陰性と判断できる比率も20~40%と全く信頼できない。これは、結核発症者でなくともBCGに対しても反応してしまう為である。一方で、諸外国では精度の高いインターフェロンr遊離試験(IGRA)が積極的に使用され、検査値のIFN-rのカットオフ値の検討は要するものの(0,35IU/ml以上を異常とした場合、70%程度の精度)、かなりの精度で結核患者の特定が可能で治療に結びつけられる。更に、TスポットTBと呼ばれる、より便利(採血量が1/3と少なく、免疫抑制状態の被験者でも再現性が高く、感度が良い)な物が出ている。尚、IGRAは2009年に、Tスポットは2012年に保険適用となりいずれも630点である。現在、結核年齢のピークは1950年代に20代だった世代で、今は80代の世代である。従来、何故か結核の再発はないと考えられていたが、実際は高齢者の再発が大半で、結核患者の半数以上が70歳以上である。しかるに、行政は古い法律によって結核予防と称して、胸部X線を義務付けているが全くの的はずれである。胸部X線は結核が疑われる患者の補助診断にしかならず、しかも特異度(診断できる精度)は極めて低い。一方で、日本の診断用X線被ばくによる発がんリスクは、75歳以下の全癌患者の3,2%以上(他の先進国は0,6~1,8%で、イギリスの6倍にあたる)とこれも断トツの高さである。そして、これは年間7587例の新規がん患者に相当すると言われている。要するに、公衆衛生行政は全く的はずれな事をし続けているのである。どうすれば良いかは明白で、高齢者や既結核罹患者や糖尿病等の免疫不良者でTスポットによる結核患者の洗い出しと治療をすれば、他の先進国並みに抑え込める可能性が高いのである。この事については、既に数年前から保健所に何度も詳細に教えているのだが、彼らは全く聞く耳を持たない。なんでもそうだが、間違ったアプローチでは良い結果は期待出来ないという事の証さであると共に、間違った人達を正すのは容易ではないという事である。

2016/1/5

日本の今を考える;従来型利権政治をダラダラ続けて来た結果、巨額の借金大国となり少子高齢化もあって、その解消には新たなシステムの構築の必要性に迫られているように感ずる。例えば、農業はTPPという外圧によって、一時的な混乱はあっても良い方向に変われるチャンスが来たと言えるだろう。米価も国際水準と同じ程度になっている現在、増産と輸出は現実的だし、もっと積極的な食糧自給率改善に向けた取り組みが必要である。全体を集約化し一括した生産管理体制や計画生産のシステム作りが必須である。介護費用の増加については、医療の発達が平均寿命だけを伸ばし、健康寿命が変わっていない現実が問題である。現在、その結果として平均して男性で9年、女性で12年の要介護状況になっている。しかも、その原因は脳卒中や転倒、骨折などが原因ではなく、老衰即ち筋力低下である事を周知すべきである。このような状態をサルコペニアと呼ぶようだが、必要なのはタンパク質(アミノ酸)とビタミンDの摂取と運動である。もっと簡単にいうなら、年寄は肉を食って外で運動するのが良い(骨や筋肉を丈夫にする為。)という事になる。この為の啓蒙活動や公園等に備え付けの健康器具を設置する事が、後期高齢者の体力アップを図り、医療費削減への道筋である。又、医療費自体の削減も必要で、診療報酬の引き下げ、特に高額医療分野での削減は必須であろう。病院経営側としては、パラメデイカルと呼ばれるスタッフの高額給与体制の見直しと共に、医療の効率化とサービスの改善(待ち時間の短縮化等の取り組み。)を考えるべきだと思う。無駄な検査、投薬をいかに減らすかは、保険診療内では何等かの制限をするべきである。防衛費もいつの間にか5兆円を超えているが、むしろ削減すべきである。周辺事態に備えるといっているが、もはや国家間の戦争の時代ではなく対テロの時代である。結局、日本を一番守ってくれるのは、永久に戦争を放棄した憲法を持つ国というモラルと信用でしかない。又、参議院選挙があるが、米国の上院並みに定数60人ほどにして、4年任期、非改選、比例代表にすればよいと思う。人気のスポーツ選手やタレント候補は必用ないと思う。地方も北欧並みに、議員の定数を減らした上でボランテイアにすれば良い。全ての分野で、古いシステムからの脱却が必要であり、その為にいかに族議員を封じこめられるかが自民党に課せられた命題であると思うし、本気で財政再建が必要になって来ていると思わせられる昨今である。

2015/12/17

美容外科の薬物について:シワ取り注射としてヒアルロン酸がある。粘度や麻酔の有無などで多数の種類がある。純正の場合、ほとんどアレルギーの心配がなく、コラーゲン製剤より安全でシワ持ち上げ効果も高い上に費用も安い。これは、ヒアルロン酸の水分保持力が高い事と製剤の改良により伸展性の良い物になったからである。しかし、あくまで繰り返し治療して、徐々に皮膚の厚みを増し持続性を保つと考えた方が良い。施設の好みで製剤は選択されるが、自分は仕上がりの自然さ重視で伸展性が良く、痛みの緩和のため少量の麻酔薬の入ったものを常用している。固さや持続性重視の考えもあるが、安全性と繰り返しながら徐々に持続させる方が生理的だと考えている。それでも、注入時は寝かせたり、起こした状態で入れるなど、注入部位の適応によって細心の注意を払い実践してきている。又、コラーゲン製剤と異なり、分解酵素製剤があり、入り過ぎやむくみ対策ができる安心感もある。一方、より持続させる目的でアクアミド(商品名)という、ソフトコンタクトレンズと同じ原料の物を注入したり、レデイエッセ(商品名)というハイドロキシアパタイトという骨のような物を注射でいれる所もあるが、これらは危険性が高い。組織親和性が高く、不具合が生じても容易に除去できない。昔、液状シリコンやパラフィン類を注入して、炎症を起こしたり、カチカチに固くなり取って欲しいという人達がいた。まさに、それを彷彿させる。それならば、固形のシリコンプロテーゼの方が安全で、万一の場合も除去が容易であり、そちらを使うべきであろう。医療における治療の基準は「リスクを考慮しても、その治療の有益性が疾患、病態の改善に対する寄与が大きい事。」が大前提であり、代替え治療でより良い物があれば、それを選択すべきである。それゆえ、うちではこの治療にこんなに沢山の注入剤を置いていますというのは、結局何を使うべきかもよくわかっていないのである。この手の所は、同じ内容の手術も広告ではいかにも良心的に見せかけて、名前を色々と勝手に付けて、料金を急に高くしたりするので注意が必要である。それ以外では、PRP(多血小板療法)を用いた成長因子の注入や、組織培養して注入するものあるが価格につりあうか微妙である。中には、線維芽細胞を増殖させる物でコントロールの利かない、いわば癌のような物もあるが、安全性が担保され評価が定まるには時間を要するだろう。尚、現在はこういった再生医療関連は厳しくなっており、厚労省への届け出が義務付けられている。次に、ボトックスについて触れる。元々、不随意運動の治療薬として、眼瞼(ガンケン)ケイレン等に使われていた。持続効果が4か月程度のため、患者は頻回に治療を要した。そういう患者が来て、副作用として気分不良、嘔吐等があり、止めたがっていた。眼輪筋の構造より、眼瞼周囲の狭い軽く閉じる筋肉とその外側の広い強く閉じる筋肉構造であるのを調べ、瞼の中央部で二重のライン上で強く閉じる筋肉だけを切開して、その症状(自分の意思と無関係に眼を強く閉じてしまう。)を止めてやって、大変感謝された。それ以前の手術では、頬を大きく切開して電気刺激で顔面神経を同定して、電気凝固して神経を弱める物があったが、再発の欠点もあった。その後、形成外科の手術として、目尻で眼輪筋を切開する方法が発表されている。このように、長期使用での毒性や危険な副作用も報告されて来た。メカニズムも神経の脱髄作用で、筋肉の働きを止めてシワを改善(筋肉が動かないのでシワが寄らない。)という、不自然な物で、回復しない例では女優などで筋肉が固まった等の表現をされたりもしている。その為、ボトックスの適応は極めて限定的(せいぜい咬筋の異常発達によるエラ張りの改善位。)というのが、私の考えである。これ以上、キリがないので止めておくが、愚かな医師達が歴史の失敗を顧みず、同じような過ちを繰り返すのは残念である。
P、S:告知 1、12/31(木)~1/3(日)の間、冬季休業致します。
       2、受付(窓口業務)パートの募集
        ①2月1日より、週5日、1日4~5時間程度、委細面談
        ②12月中に、履歴書郵送して下さい。1月上旬面接予定。
         書類審査の上、追って連絡致します。40歳位迄の女性希望。
         (履歴書は返却いたしません。)

2015/12/7

美容外科の器械の話:主な器械としては、レーザーと光治療器なのでその説明をしてみよう。レーザーは単一波長を持つ強い光エネルギーが色素などに反応して効果を出す。初期の物は、炭酸ガスレーザーであり高出力で焼く性質から、出血性の腫瘍除去などに30年位前から使われている。現在は、イボやホクロの除去などに使っている所もある。その後、赤い色素に反応する色素(ダイ)レーザーと黒系の色素に反応するルビーレーザー(645nm)やヤグレーザー(1064nm:波長が長い程深く到達する。)などが使われ始め、赤アザ、シミ、脱毛などの治療が行われた。更に、Qスイッチタイプと呼ばれる、瞬発力の強いレーザーが出現し、皮膚内部のアザや刺青の除去が可能となった。当院でも、20年前に当時日本で数台しかなかったQスイッチルビーレーザーを輸入して、多くの色素性疾患の治療を開始した。現在は2代目のQスイッチヤグレーザーとなり、コンパクトで使い易く刺青除去などでより良い効果を感じている。(532nmという半波長への切り替えが可能で、ルビーでは難しい赤色にも対応可能となった。)それ以外には半導体(ダイオード)レーザー(755nm)があるが、主に脱毛用に使われている。皮膚表面での刺激が強いので、密度の濃い部分の脱毛治療の痛みや皮膚表面の色素沈着(シミ)に注意を要する。更に最近の物では、フラクショナルレーザーがある。これは、皮膚表面に微小の穴を多数あけて皮膚再生を謳っている。当初、ニキビ跡の瘢痕や傷跡改善の目的で作られた。搭載するレーザーは炭酸ガスやndヤグなど幾つかあるが、何故か美容外科では横並びに炭酸ガスのものが多い。これは、一つ一つの穴が広いので治療後腫れやすく(打った所が蚊に刺されたように赤く腫れやすい。)注意を要する。皮膚再生可能な角質より深く穴が開き瘢痕化するので、いわばヤケド跡のような状態になる事より一般の人に繰り返し治療するのはリスクがあると思う。出来れば、ndヤグのような細い穴で侵襲の少ない方が安全だと思う。この適応は、ニキビ跡の瘢痕、傷跡、毛穴、一部のシワの改善だが、いずれも光治療器等でも対応できるように思う。次に、光治療器について話す。多くの所がIPLといわれるタイプの物を使っており、波長帯は420~1200nm程度で皮膚表面の色素性疾患に対応するが、脱毛効果は不十分と考えられている。又、引き締め効果を高める為にラジオ波(RF:高周波とも呼ばれる。電気を流す物)が付いている場合もある。(商品名オーロラに代表される。)このラジオ波は作用する皮膚の浅い方から、オーロラタイプ、ポラリスタイプ、サーマクールタイプ(いずれも商品名)があるが、いずれも通電による痛みが難点である。又、電磁波による影響は不明である。当院では、2種類の光治療器を用意している。一つはメデイラックス(商品名)で400nm~1400nmの波長帯を持ち、IPLと違いフォトリサイクリングシステムという皮膚内部の熱効率を良くする特殊機能があり、皮膚表面の美白効果以外に皮膚引き締めや光治療器で唯一の永久脱毛が可能な機種である。更に、半導体レーザーよりプローブが大きく短時間での脱毛処理が可能で皮膚表面刺激も少ない。もう一つは近赤外線光治療器で、こちらは1100nm~1800nmの波長帯で皮膚深部のコラーゲンを引き締めて、タルミを改善する物である。ラジオ波のサーマクールと同じ部位に作用するが、痛みの心配がなく安全で、ショット数も自由なので比較的低料金から受けられる。他院の場合、何故か横並びで機種を選び、医者の入れ替わりも多いのが現実である。器械の使用には、慣れや知識が不可欠なのは間違いない。派手な広告に騙されないようにしたいものである。尚、地下鉄東西線が開業し宮城野通り駅北1出口からすぐになりました。

2015/11/24

嘘くさい話:11月9日、米国立心肺血液研究所という所が最高血圧を「120未満」に下げる事で、心不全などの病気を大幅におさえられるという発表をした。50歳以上の男女約9400人を3年3か月追跡し、高血圧を「120未満」と「140未満」に分け調査した結果、めまいなどの副作用は増えたが、病死の割合が27%減って「利点が大きい」という物である。詳しい背景や分析がされていないので、どういう要因が作用しているかは不明である。しかし、一般論でいえば「マユツバ」物といわざるをえない。従来、もっと大規模な調査で、こういった事は既に否定されている。この為、医師と製薬メーカーが癒着した、いわゆる「高血圧マフィア」の関連が疑われる。米国では2003年にも、その類の報告がされた事がある。現在血圧については、日本では上が年齢+90(+10%迄)が正常値で、下げ過ぎた場合に脳梗塞の発症率が増加する事が知られている。又、降圧剤の長期服用は免疫機能の低下を引き起こす。コレステロールについても下げる必要はなく、悪玉(LDL)コレステロールにしても、外部から侵入するウイルスなどを捕捉し排出する作用があり、一概に悪くはないらしい。最も汎用されている高脂血症治療薬スタチンでは、20年間の服用で乳がんの発生率は2倍になるといわれている。痛風治療薬についても予防効果がないので、発作後に服用開始で構わないらしい。むしろ、高尿酸値の人はプリン体の多い魚卵、レバー、骨髄のスープ、ビールの摂取に気を付けた方が良い。いずれにせよ、病気のほとんどが生活習慣に起因するので、体重や栄養管理、適度な運動の方がよっぽど重要である。和食については、すぐれた食事だが塩分が多くなりがちなので、それだけは注意した方が良い。一般の人は、自覚症状がなくても検診で引っかかり、そこから薬の生活が始まり、逆に副作用を抱える事も少なくない。抜本的対策としては、地域密着型の住民の健康管理をキチンとしてくれる病院の存在や、薬や検査の値に対する正しい知識の啓蒙、公園や空き地を利用した高齢者の運動推進、NHKあたりで毎日、朝、昼、晩のTV体操の普及などといった所ではないだろうか。医師側も厳密に治療適応を決めて治療している所がある反面、ただ営業しか考えていない医師や何も考えていない医師も多く、薬の使用には抜本的見直しが必要である。ただし、外見上の若さは肉体年齢と比例すると言われているので、無駄な薬を飲む位ならシミやシワ取り治療でもした方がよっぽど良い。ちなみに、自分がもしガンになったなら、ガンに効くと言われている温泉水を飲んで湯治でもして免疫力を上げて治そうと思っている。

2015/11/9

広告の事:今月から広告の出稿を取りやめる事にした。理由は簡単で、低料金で続けるには無駄な経費を省く必要があるからだ。しかし、従来通り初診料は無料とか、消費税は内税にして自己負担しているし、料金体系に変更はない。初診料が無料なのは、相談者のハードルを下げているからで、勿論再診料も取っていない。消費税については、国のやり方が間違っているので、ささやかな抵抗から自分に課した痛みとして意識しておく為だ。本来、身を切る改革をして、無駄を省いてから消費税を上げる議論があって然るべきだが、一方的な国の政策は受け入れがたいと思っている。ただし、自己負担しているので正直10%になるのはキツイと感じている。施術料金については、大分下げて行っているが、これには2つの理由がある。1つは、言うまでもなく不景気でなるべく患者側の負担を軽くする為であり、2つ目はチェーン展開している所のデタラメな広告に惑わされる人達を救済する意義があると思うからである。これは、自由診療だからこそ出来る点である。チェーン展開している所の医療技術のレベルは低いのだが、多くの人が誤解しているようだ。店舗数が多いので何となく安心だとか、安心、安全等の派手な広告を鵜呑みにしがちだからだ。実際に重要なのは、そういう病院の基本的な手術手技のレベルや医師の技能レベルだが、そういう所の多くの医師はすぐに止めて他に移ったり、元の仕事に戻ったりする人が多い。理由は、そういう病院のやり方に嫌気がさしたり、おかしいと感じる医師が多いからである。外科経験の無い医師達でも出来る手技なので、簡単になっている。その為、患者に合っているかは関係ない。当然、患者を診る訓練がつかないので、デタラメな説明をして高い料金の手術を勧めて来る。私の知る限り、こういうチェーン展開している所の総院長は、研修医だけの経験で美容外科を少しかじっただけで開業している人が多い。医師というよりも、医師免許を持った商売人という感じがする。多くのスタッフを使って、エステと同じ囲い込みと言われる手法で患者を不安にして色々オプションを加えて来たりする。リピーターが多いというのは、治療に何度も通わせるという意味だし、在籍した医者が多いというのは、止めて行った医師が多い事を意味している。それ以外に、適当な根拠のない数字を並べ人気があるように惑わせる。こういう広告自体違法だが、役人にも手を回しているらしく無くなる事はない。当然、派手に広告したり、多くのスタッフを使えば経費はかさむので、患者の客単価を上げようとするのは必然で良心的治療など望むべくもない。勿論、そういう所で満足だという人達にはどうこう言うつもりは無い。彼らが質が悪いのは、ウソを平気でつく事である。先日も、そういう所で二重の手術を受けて、1ケ月もしないで戻ってしまったという人が相談に来た。最初からキチンと手術がされていないのだから、もう一度そこでよく相談するように話した。しかし、「戻るかもしれないと言われたので、仕方ないです。切開しなければダメで、60万円かかると言われました。」との事であった。安心保障○年などと、広告しておきながらこれが実態である。大体、60万円という数字は、どこから出て来るのかという話である。そこは、昨年TVのニュースゼロや新聞、週刊誌などで糸の吊り上げ手術の集団訴訟で、その悪質な手口が報じられた所だが全く懲りている様子はない。別の所の例では、鼻頬溝線(びきょうこうせん:いわゆるゴルゴ線)の固い皮膚部分のわずかなクボミを気にした若い女性だが、ヒアルロン酸や成長因子の注射を繰り返し打ったが効果がないという。ヒアルロン酸の注射を希望されたが断った。部位、皮膚の性状から一時的にしか効果が得られないからだ。そこの医師はいいカモだと思っているのかもしれないが、本人は混乱し自分を見失っているようで後悔していた。本来、事実を把握し教え諭すのが医師の役割だが、彼らには通用しない。こういったクリニックの最近のトレンドは、効果のない注射をたくさん打つ事を勧める治療らしい。脂肪溶解注射や豊胸用ヒアルロン酸の類である。一本の料金を安く表示して、沢山打ち結局高くつくのだが効果はほとんどない。美容外科の医師が先ずすべきは、外科手術の技能向上や患者の正しい病態把握であるが、チェーン展開しているような所ではそんな事はどうでも良い。日本では、一般の医療全般でもこういう下品でモラルのない人達がはびこっており、考えさせられてしまう。

2015/10/26

豊胸について、最近の事例から:タレントの乳がん報道もあり、豊胸用バッグを取りたいという問い合わせが最近多い。豊胸用バッグをいれていると、乳がん検査の一つであるマンモグラフィーをバッグの破損の可能性から受けられないからだ。当院では、従来生理食塩水のバッグのみの使用であった為、取り出しも比較的容易である。乳房下部を3cm程切開して、食塩水を抜いてからバッグを取り出し、傷は中で寄せるので通院の必要もない。又、その際に脂肪を注入してボリュームを維持したい人にも対応している。一方、他院の例では種々対応を迫られる。最近の事例では、生理食塩水のバッグで随分前に破損していたが、ここ1か月程前から皮膚が壊死(えし:腐る事)し始め取り出したいという物だった。破損し流出した食塩水が感染を起こしていたが、何とか皮膚を温存しバッグを除去した。しかし、取り出すと素材の固さと異様な大きさに驚いた。感染部分は、流しの排水口のように汚かったが、汚物を除去し十分に消毒して、感染対策をする事で、結果的に皮膚を温存でき一安心であった。それ以前には、有名なチェーン展開している所の例で、多数個所で破損し皮膚に癒着してシコリになっており、中から米ぬかのような物が出て来た事があった。入れた当時、安全性よりも目新しさを優先したのだろうが、もう少し慎重に検討して欲しい物である。又、内容物がシリコンジェルの場合は厄介で、なるべく破損させないように取り出す必要があり、切開が7~8cmに及んでしまう。バストのアンダー部分で、傷が目立ちにくい部分から取り出すのだが、一見破損していないように見えても、しみ出したジェルが被膜(生体が異物を隔離する為にできる膜組織)と癒着している事がある。この場合、はがすと容易に破れてジェルが漏れ出すのでキレイにするのも一苦労である。又、部分的に組織反応を起こしシコリになっている事もある。長期の使用例では、ほぼ拘縮反応(バッグを閉じ込める生体反応で固く野球のボールのようになる。)を起こし変形を来たすので、取り出したいという人も多い。以前(平成16年より前)は幹細胞を利用した脂肪注入法が知られていなかったので、どうしてもバッグの適応の人もいたが、最近は異物による諸問題から当院でバッグを入れるのは止めている。他院での種々の例を見るにつけ、自分の治療方針は良かったのだと思っている。ただ、残念で悔やまれるのは、脂肪注入法(平成15年以前)は当時の美容外科学会の重鎮が推奨する方法(よく脂肪を洗浄してから注入するという物。)が間違っており(全く逆効果)、効果の出にくい例があった事である。尚、現在でもこのように正しい豊胸の方法がわかっても、簡単だという理由で効果のない異物の注射(不純物の多いヒアルロン酸)をやっている所が多いのも残念な実態である。

2015/10/13

アザの話:アザというと、打ち身などで出来た内出血の事をイメージしそうだが、そうではなく母斑(ボハン)についてである。ますます謎かもしれないが、ホクロの仲間たちとでも言っておこう。なじみのある所では、蒙古斑(モウコハン)があると思う。赤ん坊のお尻によくある青アザである。多くの人では、徐々に目立たなくなって行くが、大人になっても目立つ人もいる。場所も種々であり、異所性蒙古斑と言われる事もある。似たアザとして、より大きな伊藤母斑や顔に出来る太田母斑と言うものもある。いずれも、レーザーをあてて徐々に色素を抜いていく事が多いが、青黒く濃い場合には、レーザーで抜くには回数や費用がかさむので、切開してその部分の皮膚を切除して縫合する事もある。次に、ホクロに似た物でより大きな(1cm以上)アザがある。母斑細胞性母斑で、こげ茶色で少し盛り上がっている。この場合の治療法としては、切開して除去する方法と、電気メスなどで削り平坦化させた後に、残った色素部分(この場合、点状に皮膚内に色素の詰まった物が残る。)にレーザーを繰り返しあてて治療する方法とが一般的かと思う。私は、目につきやすい場所の場合、切開する方が整容上良いと考えている。これと類似した物に、獣皮様母斑と呼ばれる、真っ黒で太い毛が生えた、あたかも黒ヒョウの皮膚のようなアザがある。この場合は、切開除去が一般的である。次に、一見シミのように見えるアザもある。扁平母斑と呼ばれる物である。比較的多くの人にあるが、中にはシミだと思っている人もいる。部位、色調、形状により、再発力に差があるものの、一般に再生しやすいアザとして知られている。レーザーを繰り返しあてる事で、一旦改善する場合が多いが、時間を置いて再発する事もある。しかし、この場合もレーザーは有効である。ただし、広汎で色調も濃く辺縁明瞭なタイプだと取れにくいので、グラインダーを用い削るなどの治療を行うこともあり、この場合傷跡が瘢痕化(ヤケド跡のようにツヤツヤした状態)しやすかったりする。血管性のものとしては、赤アザがある。苺(イチゴ)状血管腫などは、幼児期に自然消褪する物も多いが、(そういう意味では蒙古斑もそうだが、幼児期の皮膚自然治癒力や異物排除能力には驚くべき物がある。)学童期迄残っている赤アザは治療対象といえる。これに対しては、ヤグレーザーや色素(ダイ)レーザーに有効性が認められるが、2~3回繰り返しても効果が見られない場合、違う治療法を選択する必要がある。放射線や栄養血管を何らかの方法(アクリル樹脂や止血用粉末パウダー等)で詰めて、元をふさぐ方法などである。又、レーザー治療が効を奏しても、再発する例がある事が知られているが、再発しても前ほどの大きさにはならず、レーザーは再度有効である。最後に、ホクロであるが、これは平坦な物や隆起した物など、色も濃い薄いなどあるが、いずれも容易に除去可能である。通常1度の治療で、通院不要だが、多数で平坦なホクロを除去希望の場合には、フォト(光治療器)で色素を薄くしてから取る事がある。以上、アザ治療について述べたが、20年前にQルビーのレーザーを導入以降、街中で目立つアザ、ホクロは減ったように感じている。

2015/9/25

シミの正しい知識:シミについては、良い治療施設が少ない為か巷の情報に踊らされたり、誤解している人も多い。先ず、化粧品でシミは改善されるかと云うと、あまり期待できない。シミの種類によっては、若干改善されたように感ずるかもしれないが、一般に有効性を実感する事は少ない。一時、肝斑に効く唯一の治療薬というCMもあったが、薬のみの治療には限界がある。治療の観点からいうと、主に日焼けで起こる十円玉のような平坦、境界明瞭なシミはレーザーによって確実に除去できる。レーザーが色素に反応して、瞬時にカサブタになり一日位で黒くなり、1~2週間ではがれ落ちる。その後は日焼けに気をつけて様子を見る。古いと(10年以上のような)2,3回繰り返してきれいに取れることもある。又、肌が弱いと一時的にシミが戻ったような色素沈着を起こす人もいるが、ハイドロキノンなどの薬剤で回復を早められる。こういうシミが顔中に多く出た人(若いときかなり日焼けした人で30代以降爆発的にでる事がある。)では、レーザーよりも光治療器である程度全体に薄くする事もある。2,3回繰り返すとより効果的である。いずれにせよ、シミにはレーザーや光治療器の使用は、安全性や即効性など第一選択の治療法である事は間違いない。医療行為なのでキチンと病院で治療するのをお勧めする。こういう日焼け以外のシミとしては、肝斑が有名である。肝斑はホルモン性要因といわれ、形状は眼の下に蝶の羽を広げたような、境界不明瞭な左右対称性のやや薄いシミである。妊娠以降、更年期までが一般的出現時期で、それ以上高齢では消えていく。これについては、日焼けのシミのように強くレーザーを当てられない。逆に黒くなってしまう為で、弱いレベルで繰り返し当てて皮内のメラニンを分解し薄くするが、完全に消すのは難しい。この為、内服(ビタミンCやトラネキサム酸)や外用剤(ハイドロキノン等)を併用するが、皮膚内部でメラニンが産生され続けるので、時間が経つと(数か月)戻ったり、日焼けで容易に悪化するなど、治療は難しい。それ以外には、ソバカス状のシミが出来やすい人の場合は肌が敏感で、シミは取れやすい反面、色素沈着を起こし易く、薄く残り易く再発もし易い。又、イボ状のシミ(隆起したタイプ:点状、島状がある。)が多発している人ではレーザーでは取れにくく、電気メスで一つずつ完全に除去する。以上、シミといっても色々タイプがあり、治療法も異なる為、よく分かっていないと、治療が出来なかったり、逆効果だったりするので注意が必要である。

2015/9/7

鼻の手術について:鼻筋を通す、いわゆる隆鼻手術の方法として、現在簡易的にはヒアルロン酸注入があるが、手術的方法としてはプロテーゼのみ使用している所が多い。理由は簡単で、手術が比較的容易であり、チェーン展開している所のような、初心者の医師でもなんとなく出来るからだと思う。日本では、プロテーゼとしてはシリコン製が使われており、L型か舟型が多い。舟型にしている所の理由は、おそらく鼻尖端部分への圧迫、飛び出しを懸念しての物であり、その部分に耳介軟骨を付けている所もある。プロテーゼの欠点とは、あくまで異物であり、形状の人工的不自然さ、長期における皮膚の菲薄化(うすくなること)、衝撃などによる飛び出し、15年以上経過した場合に起こりうる被膜の石灰化、癒着せず不安定になりうる(プラプラすること)、感染に弱い、それらに伴う精神的不安などが挙げられる。これらに対して、無理のない大きさを入れるとか、鼻骨に合わせてプロテーゼを削り加工するなどの工夫がされるが、ほとんどそのまま入れられている場合もある。当院では、ほとんど耳介軟骨を用いているが、その理由は外観の自然さ、安全性(感染に強い、強く癒着し被膜が出来ない、皮膚への刺激はほとんど無い等。)、自家組織による精神的安定などである。それでも、稀にプロテーゼを使うが、それは病的なケースや患者サイドの強い希望だけといって良い。病的ケースとは、鼻骨の形成不全で鼻根部(鼻の付け根)がほとんど平坦な場合とか、兎唇などで鼻尖部が歪んでいる場合に、小鼻を調整しつつ鼻尖部を真っ直ぐに正すなどの目的や、耳介軟骨自体に問題があり、採取困難な場合などを指している。一般的な人に、鼻プロテーゼを使用した場合、長期経過において約25%の人で何らかの精神疾患を来たすと言われている。これは、元々の素因か、プロテーゼ使用が原因か、両者の複合要因か明らかではないが、軟骨使用例ではあまりそういう例の経験がない。やはり、顔の中心部に精神的不安要素を抱え続けるストレスが大きいのではないかと思う。そういった精神面からも、自家軟骨使用の意義は大きいのではないかと思っている。

2015/8/20

二重についての基本的な事:美容外科で一般的なこととして、手術的な場合に、その解剖的構造を整えねばならず、簡易的方法には自ずと限界もある。こういう事は、一般の人には分かりずらいが、美容外科の医師でもよく分かっていないのが実情である。これは、治療の適応に応じて治療する事だが、一つの病態でも適応する治療法は種々で最善を尽くさないと効果に差がでる。又、その為に医師側に十分な知識と技術の準備が求められる。具体例として、二重手術を取り上げる。一般の人は誰でも二重瞼になり、埋没法という留めるだけで可能と思っているかもしれない。それならば、安価な一点留めで良いと思うかもしれない。ところが、そうではない。先ず、二重瞼になりにくい人がいる。瞼を挙げる力の弱い人や極端に皮膚のゆとりのない人等である。前者は眼瞼下垂といわれ、生まれつきと後天的(加齢、長期のハードコンタクトレンズの使用等)があり、二重のクセ付けをしても、瞼が挙がらず二重にならない。その為、眼瞼挙筋を短縮して眼を開けやすくする。方法として、前面から切開するのと裏面から留める方法がある。私は時間、費用面を考慮して裏からする事が多い。しかし、この筋肉処置というのは腫れやすく、筋量で挙筋効果に差が出るので、熟練を要する。これは、術者には悩ましい所であり、簡易的方法の限界も示している。後者は皮膚のゆとりが極端に少ないので二重になりずらく適応外になる事が多い。又、上瞼のクボミの強い人も二重が被りずらく、この挙筋短縮が必要である。ただし、この場合、クボミの改善効果で整容上よい効果が得られる。一方で埋没法の適応は、ある程度二重になり易く、そのクセ付けの補助の物である。そして、長期の安定の為には複数個所の固定による癒着が必要であり、一点留めの適応はほとんどない。(即ち、大多数は一点留めでは戻ってしまう。)埋没法自体が,解剖的構造を変えないので、その術式には差が少ない。それを、少し変える事(糸とか留め方?)は本質的な事ではないので、ネーミングを変えて金額を大幅に変えている病院は信用できない。一方、瞼が厚いなどで、脂肪や皮下組織を除去して二重になる構造にしてから二重にするのが切開法である。当院ではこれを小切開(2~3mm)で行い、通院しなくてよい方法でしている。こういう基本的な理解がないままに、治療された後に戻ってしまい来院する患者が多いのが実情なのである。

2015/7/21

医療のあり方を考える、その②:大分前だが、癌はもうじき医療で克復されると言われた時期があった。何の根拠だったのだろう。そもそも、原因も多様で特定出来ず、組織型によって進行度、悪性度も異なり、一概に癌の一言では片付けられない。西洋医学で根治出来るのは一部であり、それも宿主(患者)の体力、免疫力も相俟ってである。進行した物や悪性度の高い癌を完治出来てこそ意義は高かろう。ある程度までは可能である。癌をよく理解した上での手術、効果的な場合のみ許容されるべき抗がん剤、厳密に計画された放射線治療の組み合わせなどである。しかし、医者から見込みがないと見放された患者が奇跡的に回復している例がある。しかし、奇跡など無いのだから、そういう所にこそ根治療法の鍵がある。簡単にいえば、宿主の免疫力を高め、癌に打ち勝つ事である。人体にはナチュラルキラーセルといわれる、癌細胞などの外敵をやっつける免疫細胞(ある種の白血球)があり、これを高める工夫である。これは食事や温熱療法、その他色々わかっているので、それを体系化すればよい事である。一方で高額な西洋医療の癌治療とは異なり、時間を要したり金にならない可能性もあり、多くの医者の興味の対象ではない。即ち、これは一例に過ぎないが、西洋医学をあまりに信奉しすぎて、無意味だったり害になるだけの治療も行われたりする。翻って、美容医療の分野では、神経の不可逆性脱髄変化を起こすボツリヌス毒素治療薬(ボトックス)がいいかげん使われていたり、有効性が不明な糸の吊り上げ手術、不純物の多い豊胸用ヒアルロン酸注入、以前弊害が多く廃れた脂肪溶解注射の復活など未だにはびこっている。自分なりに警鐘をならして来たつもりだが、大衆を理解させるのは難しい。それぞれ、正しい治療法というのは自ずと決まっていると思うのだが、、、。選択の自由は常に患者側にあるのも事実である。

2015/6/25

懲りない面々:以前に、美容外科の口コミサイトはやらせが横行しており匿名性を言 いことに、患者になりすまして言われなき誹謗、中傷をする同業者もいる事を書いた 事がある。運営業者も信用できないので、極力相手にして来なかった。ただし、一 方、こういうサイトにやらせが多い事も一般に知られるようになるにつれ、逆に実態 との差に不信感を持たれ利用していた病院も徐々に減っているらしい。久しぶりにそ のサイトを見てみると、全く身に覚えの無い書き込み中傷があった。内容は当院で何 か月か前に二重の切開をした女性の設定で、色々文句を言うのだが、図に乗って何年 も二重がバレバレだという矛盾した物だった。更に、当院のことを口汚くののしった 上で結局料金の高い所を勧めるという物だった。運営サイトに連絡しようとすると電 話やFAXもつながらず、メールでようやく連絡がとれた。こちら側で、それを嘘と 証明しない限り削除しないと強気である。勿論、実在しない人の事なので、患者情報 は自分達が管理して一切知らせる気はない。矛盾した内容を指摘し、応じなければ警 察に被害届を出すというと、しぶしぶ嘘を認め削除した。よっぽど悔しかったのか、 あるいは依頼した同業者に言い訳する為か数件の当院に好意的に書いていた人達の物 まで勝手に削除していた。まさに、デタラメにやっている事を自ら証明したような物 である。こういうサイトは美容外科に限らず、皮膚科、歯科(審美、矯正なども)エ ステ、整体、マッサージ、ダンス教室や各種スクールに至るまであり注意が必要だ。 そもそも、何故当院にそういう目的で嫌がらせをする所があるかというと、料金も安 く、適応もキチンとしたうえで、技術を要する手術でもしているからである。一方 で、簡単な手術で高い料金を取り、よく分かっていない業者からすると眼の上のたん こぶなのであろう。細かい事を色々いうのは避けておくが、理性を失い、自我と欲だ けで医療を行い、患者をだまし自院に誘導しようとする情けない人達には困った物で ある。日本人としての誇りも微塵も感じられないのである。

2015/6/1

医療のあり方を考える、その①:当たり前の事だが、医療は病気等の異常を正常に正す行為に他ならない。しかし、現実にはよく考えずに漫然と治療がされている事が多い。即ち、慣習的治療は、何の疑いもなく踏襲されやすい。勿論、問題意識のある医師もいるので、自分なりの理解、工夫に立ち治療法を極めようとする人達もいる。最近の例では、アスピリンの少量投与は心臓や脳の虚血発作予防効果があるとずっと信じられて来た。背景には血小板凝集能検査があり、そのコントロール状態を採血で理論付けられていると思われていた。ところが、最近の欧米での大規模調査で、非投与群と結果に全く差がないという結論がでた。こういう事は恐らく他の薬全般にいえるだろうし、逆に副作用だけが起こっている可能性もある。要は、薬はあくまで対処療法であり一時的効果はあっても、長期に飲むべき性質の物では無い事を示唆している。やむを得ず長期に服用が必要なケースは、慎重に適応を検討したり、もっと良い代替え治療がある筈だと予想される。高血圧なども、本当に服用が必要な人はかなり限定されるだろうし、生活習慣病の人は体質改善が優先されなくてはならない。日本では、医療の進歩が長寿社会を作ったかのように言われる事もあるが、逆に薬漬けで晩年をただ生きながらえているという人も多い。日本人の常識観や医者の経営目的など、容易に正せる物ではないが、医師も良心に鑑みて治療すべきである。それは、現実には高齢者の医療費公費負担が高い事実は周知の通りからも分かる。その点、美容医療は本人の意思が尊重され、強制される物でもなく、本人を生き生きと元気にさせられる物である。患者サイドも誤った情報に踊らされない注意は必要だが、その慎重ささえ持てばよいように感じる。医師側も、自由診療の為に税金を貪る罪悪感もないので、明快で精神衛生上は良い筈の物である。

2015/4/27

最近の医療事故事案について: 腹部内視鏡手術で複数の地域基幹病院での多数の死亡例報告を見ると、 日本の制度的要因が背景にあるのではないかと考えてしまう。この 手術は小切開で侵襲が少ないので、患者の体に負担が少ないというのがメリットの筈 である。しかし、この手のkey hole surgery(鍵穴手術:小さな穴 から、顕微鏡や内視鏡を使って行う手術)にとって、経験すればよく分かるが、一番 重要なのは止血のコントロールによる視野のクリアな確保である。それにより、解剖 的位置関係も良く把握できスムースな手術が出来る。逆に、止血が困難だとパニック になりかねない。そういう点からすると、出血リスクの比較的少ない胆嚢摘出や虫垂 摘出(いわゆる盲腸)などは適応として良いかもしれないが、肝臓の手術はそもそも どうなのだろう。この手術の適応は決められており、肝臓でも易しい症例になってい るらしい。しかし、肝臓の手術というと、輸血を必要とするような大量の出血のイ メージがある。本当に内視鏡手術で大丈夫なのだろうか。こういった手術の基準が出 来ると、症例数をクリアするために無理な手術が行われがちである。通常1例でも、 失敗例がでれば、それについて十分検討し、二度と過ちを繰り返さないようにするの が、まっとうな医者である。この場合安全な止血対策として、臍上部に小切開(5~6 cm程度)して、直接迅速に止血処理できるような事などは考えなかったのだろう か。医者側の術式に対するこだわりやプライド(?)、又はそもそもの制度のため に、人命が軽んじられてはたまった物ではない。こういった事例が明らかになってい るのは、氷山の一角のような気もする。そもそも、一般の病気で予後において統計的 に調べてみると、外科手術が保存的治療に優れるのは一部に限られる。厳密な適応下 に上手な手術をしない限り、本末転倒である。ただし、美容外科においては健常者に 対してだが、手術によってのみ大きく改善の得られる適応が比較的広く存在するよう に感ずる。この手術の適応さえキチンと理解し、上手な人がやりさえすれば有望な分 野ではあると思う。

2015/4/1

震災4年経っても、、、:もはや、過去の事のように思って、前を向いている人達が圧倒的に多いと思うのだが、沿岸部では震災後4年経ってもかさ上げ工事(盛り土造成)がやっと行われている段階で、被災者が完全に戻れるにはまだ5年程かかるらしい。思い起こせば、ガレキ処理にも金も手間もかかり、わざわざ北九州まで運んで反対される中で焼却処分などをしていた。当初から宮城県では、ガレキの放射線レベルが安全なのは確認されていた。一方で、岩沼市は沿岸部のガレキを土中に処理しながら、防波堤を作り植林する計画を打ち出したが、結局お上の意向でままならなかった。もし、沿岸部全体で迅速にこういう方法が採られていたら、かなり早くガレキ処理が進み、同時に環境にやさしい沿岸部の防波堤も出来ていたのだろうと思う。最近では、沿岸部の人口流出が進み、危機感を抱いた人が地元の産業の活性化により、他県から人を呼び込もうとカキの養殖で、そういう企画をした人もいた。しかし、これも災害危険区域とやらで法規制され、他の地域からの人の流入が出来ず、頓挫してしまっている。どうやら、ひたすら衰退するにまかせよという事らしい。福島でも、原発周辺のこの先どうにも戻れそうにもない地域の人達にも、具体的な代替え永住地の話も出てこない。お上お得意の引き伸ばし作戦だろう。地元選出の議員たちは何をしているのだろう。たぶん、今後東北の沿岸部の広い地域で人口は減少し活気が失われていくと懸念される。復興に対する計画性や時間、経済性など地域住民の目線に立っているとは見えない。ある程度、地方分権化し、地域の自主的な自治により、自分達で考えなければ地方再生など所詮ダメなのである。今後、特色のない衰退した町が出来て行くのだろうか。お上は、何があっても地元住民と十分話し合いをもって進めた結果だというだろう。一方で、お上まかせで、何も決められず何でもおんぶにだっこの気持ちでいては仕方のない事である。もし、そういう気持ちの人が多いとすれば、結果的には教育の貧困によるものだろうと思う。もっと、一人一人が自分自身で論理的に考えられるようにし、問題を解決し自立した人間を作る教育にしなければダメである。現在の学校教育は、社会に出てもほとんど役にたたない。現状の単なるつめこみ教育では、視野の狭いロクな事も出来ない人しか育たないと思う。今のお上の解決力では、北方領土問題も、拉致問題も、竹島問題も解決できそうもない。そして、経済大国の割に国民幸福度が低いのも、国民と政治の乖離によるのだろう。しかし、不平ばかり言っていても仕方ないのだ。今までも、政治がそれ程気の利いた事などして来ていないのだから。むしろ、楽観的に一度きりの人生を楽しむ気持ちで前向きに生きて行くほうが幸せという物だろう。

2015/3/2

ワクチンの話:日本の(世界も?)ワクチン行政には疑問が多いと思うので書いておく。最近話題なのは、子宮頸がんワクチンだが、その副反応(副作用とは呼んでいない。)の為に、日本では推奨されなくなっている。これは、頸がんの原因はパピローマウイルスで、ワクチン接種により一生頸がんにならないという物である。当初、1回で十分と言っていたが、何故か3回に変わった。(外国では2回のようである。)日本では、これまで30万人程が接種して2000人程の副反応(神経障害などで、日常生活が困難となっている。)が出ているようである。当初、日本だけであり、それは心因反応(要するに気のせい。)と言われていたが、ヨーロッパ等でも続々報告され始め、デンマークでは2倍程の頻度(発症者はほぼ同数。)だったように記憶している。統計的にこれは有効との報告もあり、WHOや厚労省も副作用を認めていないが、疑問である。先ず、本当に一生頸がんを予防できるのか。さらに、パピローマウイルスが原因として、より有効な防御手段はないのか。(発症の抑制や安全性、経済性を勘案しての意味。)昔から、不特定多数の男性と性交渉のある女性で、子宮がんが多いと指摘されている。(学生の頃そう教わった。)とすれば、パピローマウイルスに接触しないような、指導や啓発の方が重要なのではないだろうか。パピローマウイルスは尖圭コンジローマ(性病の一種で、局所にとげとげのイボができる。)が代表的だと思うが、そういう物に直接接触を受けない方が大事ではないのだろうか。すなわち、コンドームの使用の意義を教えるという事である。恐らく、頸がんワクチンを打つている人達で原因(パピローマウイルスの事。)の理解は少ないであろうし、このワクチンの有効性の指摘に対し、もともとの統計的バイアスがかかっていないか疑問である。(即ち、警戒心の強い集団で、不特定多数と性交渉を持つような人の割合が少ないのではないかという事。)話は変わるが、かって日本だけが検診で見つかった、子宮頚部の異形細胞をがんとしてバンバン手術していたが、今は経過観察で良くなっている。(正常でも一時的にそういう細胞が見られる事があるとなった。)又、最近ではフェノールを塗るだけで、細胞免疫を活性化し至急頸がんの前がん病変を治療できる方法も考案されている。一方で、日本で最近梅毒が急増している。(ここ10年で男性が約3倍、女性が約2倍)若い女性を介したピンポン感染の可能性が考えられ、ここでも正しい知識、予防の啓発の重要性が再認識させられる。要するに、行政頼みで全てを鵜呑みにはしてはいけないのだよという事を言いたいのである。インフルエンザワクチンも同様で、ほとんど意味がないと思っている。(十分な免疫応答を起こすものではなく、抗体を打っているのではないかと疑っている。)これについては長くなるので、今回はこの位にしておきます。一番大事なのは、正しい知識を持ち自分の免疫力を高めておく事なのだと分かって欲しいだけである。

2015/2/1

欧米の医療費削減の取り組みに学ぶべき、、:イギリスでは、国民医療制度の維持が困難となり、医療の無駄遣いを省こうという、医師、患者への啓発キャンペーンが始まっており、まず医師が医療の無駄遣い減少に取り組む事を強調している。不適切で過剰な検査や無駄な入院、過剰な投薬などがあり、年間約3億ポンド相当の処方箋が廃棄されているという。米国ですら日常診療行為の20%程度が無駄であるとされている。恐らく、皆保険の日本では、間違いなくそれ以上だろう。その、無駄な検査や過剰な投薬を削減するだけで、相当な医療費削減になるはずである。具体的には、病院によりすべての患者にフルコースの検査をルーチン化していたり、診断名だけ増やして不要な投薬をする医師達がいる。また、満床にしておくためだけの入院例もある。改善のためには、国民の啓発と共に医療費削減Gメンを養成して取り組む必要があろう。自民党は、いよいよ農業改革に着手するようだが、それと関連して肥大化しすぎた生活保護支給(160万人、4兆円)の改善案がある。各自治体が働けるが職がなく受給している人達を、農業に従事させ、国内の農業自給率を上げる取り組みをすれば一石二鳥であると思う。大阪ではこれに対しプリペイド化して受給者のギャンブルへの使い過ぎを規制しようという動きもあるが、なんと反対する輩までいて困ったものである。勤労、納税は国民の義務である事より、早急に制度の見直しを図るべきである。又、公務員改革や自分たちの身を切る改革も実行に移して、財政健全化を一刻も早く行い、次世代に付けを回さない施策が肝要である。

2015/1/5

2015年もいよいよ始まった。昨年末は、大義無き衆院選が行われ、国民の最大の 関心事は景気回復にあったため、自民党に継続させるしか無いという当然の結果に終 わった。一方で、信任を得たとばかりに、右傾化に突き進み、公約を反古にするのは ご勘弁である。肝心の財政再建は無視し、集団的自衛権や憲法改正へと突き進むの は、戦前の陸軍の暴走の二の舞にならないかと危惧してしまう。常に、官僚たちのず る賢い、ごまかしの論理で諸問題を正当化させていくのは、多くの国民が心配する所 である。再生エネルギーを含む、抜本的なエネルギー対策への取り組みも無く、エネ ルギー危機を煽り原発再稼働を当然の流れのようにしたり、中国の小笠原近海でのサ ンゴ密漁の取り締まりを中途半端にして、それを憲法上の問題にすり替え、改憲へと 煽ろうとするのは見当違いである。確かに、中韓が反日を国策として過激化している が、日本はあくまで民主国家として世界から信任されるよう対峙すべきである。少な くとも、自衛権は有るのだし、外交的な冷静かつクレバーな対応で、諸外国との協調 の上で解決すべきである。一方で、国内ではお粗末な地方議員や国会議員のモラルの 無さばかり目立った。民主主義は数の論理に頼らなければならないので、地方でも若 者が集団で蜂起し、そろそろ手弁当で地方自治から変える体制を作るべきである。小 泉政権下で族議員らにより、郵政民営化も骨抜きにされ、その後バブル期のままの歳 出が削減されぬまま、負債だけが増大していて、そのつけは主に若い世代が被る事に なる。残念ながら、民主党政権もスローガンは正しかったが、官僚に足を引っ張られ 頓挫してしまった。もはや、日本が変われるのは、地方からである。自立した地方の 再生と共に、健全な財政再建を目指さない限り、とんでもないインフレ政策と国家の 財政破たんしかない。今こそ、地方の志ある若者たちが地方自治の担い手となって、 地方から財政を健全化し、国の身勝手な政策を許さない民意が醸成されていくのが新 年の夢である。

2014/12/1

健さんが逝ってしまった、、、11月10日高倉健さんがひっそりと逝ってしまった。という訳で、今回何か書く気分にもなれずご冥福を祈るのみです。合掌。eチケットに連載していた原稿は院長コラムという形でHPに載せましたのでご覧ください。

2014/10/31

再生医療等の安全性確保等に関する法律:先日、この説明会があり出掛けてみた。当院の場合、脂肪注入術や多血小板細胞を利用した治療が該当するか気になったからである。脂肪注入の場合、当院では自身の脂肪内の多分化能を有する細胞を利用して、生着率を高めたり感染を起き難くしているだけで、造血幹細胞を利用したり、厚労省のいう加工処理を加えていないので、該当しないと確認でき安心した。多血小板療法も創傷の治癒促進に特化しているので該当しないようである。(歯槽骨の再生などあきらかな再生治療は該当する。)よって、当面影響なしと考えられた。ただし、今後更に規制が厳しくなれば多血小板療法は中断せざるを得ないかもしれない。この法律 の目的は迅速な治療の促進との事で、業者を利用して加工組織の提供が迅速になるとの厚労省側の説明であったが、それ以上に煩雑化し届出や委員会の設置義務など、従来幹細胞治療を行って来ている医療機関にとっては、むしろ迷惑千万というのが本音だろう。(実際、大病院などで困惑の声が相次いだ。)厚労省の狙いはiPS細胞以外の再生医療はあまり認めないとか、指定の業者を優先したいように感じる。一方的にこういう法律の縛りによって自由度がどんどん制限されて、今までこういった治療を比較的容易に受けられたのが手続きの煩雑さから受けにくくなるとすると、果たしてその意義については疑問を感じざるを得ないのである。

2014/10/2

異物を使う事のリスクとは:当院では、極力自分の組織を利用した治療を勧めている。当院で、現在使用している異物治療は、一つはヒアルロン酸である。これは、シワ取り、クボミの改善などの用途の注入用製剤である。これについては、純正で安全性の保証された物にしており、異物と言っても人体にも存在する物である。この為、これによりアレルギーを起こす心配はほぼ無く、今まで何年も使用しているがアレルギーの副作用は皆無と言える。ただし、水分保持作用が強く、多少のムクミを起こす事があるが、これもより安全で伸展性の良い物へとシフトしている。万一、取りたい場合でも、分解酵素があり吸収させる事も出来るが、ほぼ使う機会はない。二つ目は、鼻用プロテーゼ(シリコン製人工軟骨)を稀に使う事がある。これは、本人の強い希望時に適応があれば使うのと、先天的な病気等で鼻の形成不全がある時に鼻柱を支える目的で使う時位である。一般的に使う事はほとんど無く、本人の耳介軟骨を使っている。それは、色々な意味でプロテーゼより安全で優れていると思うからである。一方、人工物である鼻用プロテーゼが起こす弊害としては、違和感(本人自身の感覚、及び見た目の感覚)、石灰化、皮膚の菲薄化、飛び出し等があり、感染に対する抵抗性の無いのも欠点と言える。又、昔から鼻プロテーゼ術後の精神疾患(うつ病等)の発生頻度が高い事も知られている。三つ目として、一般診療材料として糸があるが、これは体内に残る物は、異物反応の少ないナイロン製糸か、吸収性の糸を用いている。稀に、この糸が出て来る事があるが、その場合は抜糸してしまえば済んでしまう。他には、豊胸で以前は生理食塩水のバッグを使っていたが、現在は脂肪注入だけにしているが、不都合は感じていない。一般に、異物に頼る治療では、人体の拒絶反応による閉じ込めようとする反応や、体外に出そうとする反応、アレルギー反応等が起き、特に解剖学を無視したただ無理に引っ張ったり、留める方法は効果がない事もあり、強い違和感の原因にもなり得るので、慎重な治療と改良を常に要求される。未だに、多くの美容外科が恐らく簡単だという理由で、種々の異物を無造作に使った治療をメインに行っているが、そのフォローも十分に出来ていないケースにしばしば遭遇するにつけ、もう考え直す時期ではないかと思う。

2014/9/1

目頭切開と眼瞼下垂(がんけんかすい)について:目頭切開とは、東洋人特有の蒙古ひだ(目頭部分の皮膚の被り)により、目頭が被った二重にしかなり難いのを開放し、目頭より二重のラインが出る、いわゆる平行型の二重を作りやすくする術式である。この為には、目頭のひだに切れ込みを入れ、被った皮膚を除去し、皮膚を反転し、皮膚の緊張がかからないように形を整え、更に内縫いをして傷を合わせるのが良い。この時に、目頭よりの眼窩脂肪を抜き、スッキリさせる事もできる。抜糸のため、一度通院が必要である。この術式がキチンと行われていない病院では、ひだがほとんど無い例や適応の無い例(ひだの影響の無い例)に手術がされていたり、逆にひだの開放が不十分で傷が広がり瘢痕化している例がある。こういった病院での不適切な結果により、誤解が広まるのは残念なことである。次に、眼瞼下垂であるが、これは瞼を挙げる筋肉(眼瞼挙筋)の力が弱まり、眼の開きが悪くなっている状態である。先天的(生まれつき)の場合と、後天的の場合がある。後天的な場合は、ハードコンタクトレンズの長期使用による挙筋の損傷と加齢による筋力低下が主である。術式としては、前方(瞼の表面側)からと後方(瞼の裏側)からのアプローチがある。いずれも、伸びた挙筋を短縮する方法である。自分は、簡易さや、術中の眼の開閉による調節のしやすさから、後方からの治療を取る事が多い。これについての一般的な術式があるのだが、腫れや異物感が強い上に戻りやすいので、最近は工夫を重ねた術式にしている。それでも、痛みや腫れが強く感じる人もいて、人により調節の具合は難しい手術である。ただし、明らかに眼の開きの悪い人の場合、大きく開くようになるので、やる価値はあると思う。この応用として、眼の上のクボミが強く二重が被りずらい人の場合に、二重を被りやすくするために、この挙筋短縮を加える方法は有効である。ただし、加齢とともに瞼の皮膚が余って被るようになったのを、眼瞼下垂と混同している人もいるが、これは全くの別物で皮膚の余剰部分を処理する術式(瞼のタルミ取り手術)となる。

2014/8/1

適応という事:例えば、外科的治療が保存的治療の結果に明らかに勝る時、外科手術の適応があると言える。しかし、実際の医療現場で当たり前のように治療している事でも、集学的検討を加えると、予後に有意差が無い場合もあり、厳密な検討が必要である。この為、日常診療では、常に治療結果をフィードバックし、分析と改良を求められる。一方、一般の医療も含めこの点が曖昧にされている事も実に多い。逆に、新しい治療器具や薬品などが出ても、様子を見たり、他の物と比較検討したり、メカニズムを考察しない限り、予後判定は難しいし、リスクも大きい。逆に、同じように見える患者ても、その人の治療歴、肌質、年齢などによって治療効果に大きな差が出る事もある。最善の方法をシステム化し、術式の改良も必要である。この辺の所は、実に地味で伝わり難い。薬品にしても、一長一短で必ずしも、理想的とは限らず、どこに重きを置くか判断の難しい事もある。美容外科の領域は自由診療で、治療法も確立されていないことも多く、流動的であるがゆえの面白さもあるが、薬品など不十分な部分もあり、歯がゆさもあるのが実情である。

2014/7/14

伝えたい事、その③:美容外科では、口コミ広告をあたかも一般の人からの投稿に見せかけて使っている所も少なくない。そういう業者のやり方には、共感出来ないので自分は断っている。尚、その手口など以前にも書いているので割愛する。基本的に、美容外科の口コミサイトはヤラセが多いと思った方が良い。以前、この手のサイトで全く該当しない人間から、患者を装い誹謗、中傷を受けた事もある。又、ご丁寧に自分の所の内容を詳しく書き自画自賛して、そちらへ誘導しようという物もあった。その後、そこの医師がかなり変わり者で、手術も下手な上に、ワキガ手術を同じ患者から右、左に2回に分け、月をまたいで2度保険請求しているとの話も聞こえて来た。一般社会の中で、無知な若者たちが反社会的行為をすることは、良くないが仕方ないと思える面もある。「どんなに美味しい料理でも、全ての人の口を満足させる事は出来ない。」という言葉がある通り、仮にどんなに良い治療を受けても、満足しない人や、不平不満さえ口にする人、自己管理の悪さを全て医師側の責任にして逆ギレするような人達もいるのが現実である。しかし、大学の医学部迄出たのに、匿名なら何をしても分からないだろうとばかりに、道徳心の無い医師達がいるのには正直驚かされる。医学部を卒業しても、せめて5~6年位は医局で、医師の在り方の基本位身に付 けてから、社会に出て欲しいと思う。研修医程度の人が、短期間の研修だけで院長顔して診療している所もある。チェーン展開している所の総院長でもそういう人達がいる。勿論、肩書も決してあてにはならない。ただ金で取れるような資格もあるからだ。大事なことは、被害に遭わない為に、ある程度の知識を身に付け、電話などでよく確認して納得の上で治療を受けるようにしましょうと云う事である。ネガテイブな事を書くのは、決して好んでしている訳ではないのだが、あまりにデタラメな事例を多く目にするからである。古来、アンチエイジングは人類共通の夢であったし、健康や外見の若さ、美しさを求める事は生き甲斐としても必然なことと思う。ただし、そこに介在する人達のあさはかな手法に騙されてはならないと思う。

2014/6/30

伝えたい事、その②器械の話:当院ではレーザー治療を18年前から始めた。高額な器 械な為、当時日本で数台、東北では初めてのQスイッチルビーレーザー(強い出力特 性により、皮膚深部の病巣でも皮膚を傷つけず治療できる特徴がある。)の治療を開 始し、シミ、ホクロ、アザなどの表在性疾患と共に刺青、太田母斑、蒙古斑などの深 部のアザまでレーザーで治療できるようになり、多くの人に感謝されて来た。未だ に、当時からの人達がシミ取りなどに来ている。この器械は10数年使用し、数年前か らコンパクトなQスイッチヤグレーザーに取って変わっている。機能はほぼ同様だ が、価格が1/7程度で購入出来たのは隔世の観がある。それ以外では、光治療器があ るが、これは当時IPLタイプの物(商品名オーロラ等)と当院の物とを比較検討 し、高かったが機能性にほれ込み導入した。IPLタイプの物と違い、フォトリサイ クリングシステムという独自のシステムが、皮膚内部に十分な光量を取り込ませ、永 久脱毛の出来る当時唯一の光治療器であった。更に、表在性色素疾患全般に加え皮膚 の引き締め効果もある。未だに、1台で多機能をこなす優秀な器械である。脱毛に関 しては半導体レーザーも永久脱毛が可能なレーザーとして認められているが、レー ザーの直線的なエネルギーの減衰特性より、十分な脱毛効果を得る為には、皮膚表面 の刺激が強く色素沈着も起こし易い。一方で、当院でこの光治療器で脱毛を受けた人 は、効果、痛みの軽さ、処置のスピードなどで驚かれる事も多い。この為、多くの病 院がIPLの光治療器を持っていながら、脱毛用に別のレーザーを使っている。(た だし、永久脱毛とは言っていない。)よそが、どこも同じような器械を使っているの は、器械の特性に疎くただ横並び意識が強いように感じる。それ以前にndヤグレー ザーを導入したのだが、当時脱毛用のアレキサンドライトレーザーと比較し、皮下の メラニン(黒い色素)に対する反応の良さから選んだ。現在でも、血管性病変、皮膚 引き締め、花粉症治療、肝斑治療などで役だっている。この時、脱毛用にアレキサン ドライトレーザーを導入し、派手に脱毛の宣伝をしていた美容外科は、いつのまにか 仙台から撤退していった。最後に、皮膚引き締めとして、近赤外線治療器のタイタン を3年程前に導入した。これは、RF(ラジオ波、通電により皮膚を引き締める器 械:オーロラ、ポラリス、サーマクール等)で最も作用の強いサーマクールとの比較 で導入した。サーマクールはとにかく痛いし、ヤケド、脂肪層の委縮などが問題で、 逆に安全で痛みの心配がなく効果の良い点でタイタンにした。さらに、ショット数を 患者の希望で増減出来るので、予算にも合わせられる。(サーマクールは最低ショッ ト数が決められているので、高額な請求をされる上に、痛くても途中で止められな い。)こういう事から、当院で使っている器械は4台ともメーカーが別々である。あ くまで、大事なのは器械の特性の理解であるが、手術の不得手な医師が多く、器械に 頼って治療する傾向も強まっているようだ。中には、急に専門のスキンクリニックの ふりをして治療を始めている所もある。この為、リスクの高い器械を使い過度の刺激 を加えてしまったりする。フラクショナルレーザー(主に傷跡、ニキビ跡などの皮膚 に無数の穴を開ける事で傷跡を目立ちにくくする。)でも刺激の軽いヤグレーザータ イプの物もあるが、刺激の強いCO2タイプ物を使われて腫れあがり、その後にテカ テカした肌質になっている人も見かける。また、ピーリングも以前に繰り返し治療が 皮膚を傷めるという理由から廃れ、光治療器の治療に変わったにも関わらず、未だに 分からず宣伝している所もある。一般の人達には中々分からないだけに、未熟な考え の所には注意が必要である。

2014/6/16

伝えたいこと、その①:「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という格言があ る。出来れば、後者でありたいと思う。美容外科という、医療の特殊な領域の中で、 本当に良い治療を貫こうとする事はけっこう難しい。それは、一方で商業主義的に 次々と目先だけ変え、新しい物が出ては廃れて行くからである。他方で、派手な宣伝 に人々が惑わされる事もある。しかし、王道は不変なので、それを極める事は大事で ある。勿論、新しい物を検討する事も必用である。例えば、「成長因子」系の薬物な ども、評価は定まっていないだろう。当院でも、安全性に疑いの余地の無い自己血液 を分離し、多血小板療法(PRP:Platelet Rich Plasma)を行って来ている。これは、血小板が凝固する時に成長因子を出す事が知られている。しかし、皮下注入によるシワ取り効果は左程でもなかった。即ち、コラーゲン生成効果は少ないといえる。 一方で、創部(傷の事)に利用する事で、治癒促進効果がある。又、サイトカイン (触媒)として、脂肪注入時にその定着補助効果もある。それらから、現在はむしろ 治療の補助的にサービス的に付加している事が多い。一方で、ボトックス(ボツリヌ ストキシン:最強の食中毒菌から抽出した神経毒)を使う治療には、未だにとても抵 抗がある。今までも、種々の副作用の報告があり、更に脱髄性のメカニズムも危険性 を感じる。従来の適応(難治性の不随意運動疾患以外に決して使わない事、有資格者 が厳重な管理下にのみ使う事)をくずし、安易に使われている現状は心配である。本 当に他の治療法が無いときにのみ、慎重に使うべき物だと思う。ヒアルロン酸製剤は 初期の物と大分変り、安全性や伸展性の良い物が出て重宝している。かって、コラー ゲン製剤(シワ取り用注射)では1~2%で、アレルギーを引き起こす人がいて、随分 悩まされた。現在皮肉にも、このコラーゲン製剤の会社が社名を変えボトックスを 扱っている。一方、ヒアルロン酸だが、色々な不純物を含む物も出回っている。それ は、長く持続するとか、、容量を増やす為だと思うが、結局は不純物だけが残った り、逆にすぐ吸収されたりするので、シワ取り用製剤以外ははっきり言ってダメだと 思う。一時期、女優などで頬に大量のヒアルロン酸を入れて、パンパンに膨らませて いる人達を見たが、その後吸収され却ってタルミが出て、ホウレイ線が深くなり残念 な女優を見かけたりする。特に、豊胸用のヒアルロン酸を入れて、良かったという人 の話を聞いた事がない。一つには、すぐに無くなったという人が大多数で、かなり大 量に入れた人では不純物だけが残り多数の粒状のネチネチしたセメダインのように 残ってしまう。豊胸に関しては、脂肪注入が最善の方法として確立したと言って良 い。今年の美容外科学会でも、メインテーマとなっている。一方で、恐らく簡単だと いう理由から、バッグを勧める所も多い。最近は従来では考えられないような内容物 が入っており、複雑に破損している例などに遭遇する。更に、入れた所で取りだすと いう、当たり前のサービスをしない所もあり、悲惨な症例を目にする。それも、誰も が聞けば知っているような美容外科でである。そういう例に、自分は最善を尽くすよ うにはしている。当院では、従来も生理食塩水のバッグのみの使用にして来たので、 安全性の心配をする必要がなく、医師と患者双方共に精神衛生上大変良い。これも、 1990年代の米国におけるシリコンジェルバッグによる発がん性、膠原病発生の認定を 勘案しての事である。一方で、バッグを取り出して、脂肪に置き換えたいという人も 少なくない。その際、生理食塩水バッグだと2cm程度の小さな傷で済むので良いの だが、他のバッグではそうは行かない。現在は生理食塩水バッグでも人によって、 (勿論、ジェルバッグでもそうだが)違和感を訴える人がいるのでバッグの使用は全 面的に止める事に決めている。そろそろ、長くなったので、続きは次回にします。

2014/6/1

正常値って、、、:今年4月に、血圧や血液検査の正常値が見直され、その大幅な変更が議論を呼んでいる。極端なヤセや肥満(BMI(体重kg÷身長m÷身長m)が30以上のような)でない限り、あまり神経質になる必要はない。勿論、検査結果の明らかな異常値は気を付ける必要があるが、だからと言って症状の無い人に薬で予防効果があるかというと、必ずしもそうでは無い。かって、塩分の取り過ぎから高血圧、脳卒中(特に脳出血)が多かったが、健康意識の向上によって大分改善されている。今回の件は、今まで製薬会社や医療機関、行政などが関係していることで、当たり前の事を言っているにすぎない。ワクチンなども不都合なことはあまり触れられず、必要の無い人達が当たり前のように受けている現状もある。却って、自分の免疫応答を低下させてしまう懸念があるにも関わらずである。以前、TVで「日本人の4人に1人が結核かもしれませんよ。」という、なんの根拠か不明のCMが再三放送されていた。これも、毎年発症者は2万人足らずで、高齢者(70歳以上)の再発が約半数である。確かに、先進国では、比率が高いのだがそれは行政の対策が悪いだけの事である。その後、意味の無いX線撮影が義務付けられ、関係団体の謀略がプンプン臭うのである。ところで、いくら正しい事を言っても、相手がまっとうでないと伝わらないのは日常よく有ることである。一方で、真実を伝える大人も絶対に必要で、今後も自分なりに正論を通して行くしかないのだけは確かである。

2014/4/28

新しいスタートの時期に、、、:4月は学校や会社など新人たちの新しいスタートの時期である。企業も優秀な人材を求め、外国人の採用が急速に増えており、日本の若者もうかうかしてはいられない。確かに、日本人の新人には、電話応対もままならない人が少なくない。先日も、スタッフを連れて近くの公園に花見に行き、寒かったのでその後カラオケ店に行った。こちらの人数と利用時間を告げると、40~50代の男性の受付に料金を知らされ、承諾した。帰りの支払いの際には、べつの若い女性の受付から、最初言われた3倍の料金を告げられ驚いた。最初の男性が気が利かないのか、意図的に安く見せかけ、長居させようとして、わざと一人分の料金を言ったのかは不明である。こちらは、年配の男性にこちらの条件を事前にキチンと伝えているのだから、当然理解していると思い込んでいた。年配でも、気の利かない人もいるのだが、こういう思い込みはある。結局、こういう気の利かない人に対応されると後の祭りであり、不愉快な思いだけが残る。この人に限らず、社会の付き合いの中ではしばしば経験させられ、新人に限らず質の悪いベテラン(?)もいるので困ってしまう。医療であるはずの、この業界でも少なからずあり、医師からびっくりするような説明を受けて来たり、お粗末な治療内容後の人達にも出くわす。根本的に分かっていない人達を正すのは容易ではない。医は仁術というのは、もはや死語のようで背筋が寒くなるのは天候ばかりのせいではない。自分も後ろ指をさされないよう、今後も最善を尽くして行かなければと思う昨今である。

2014/3/31

消費税も上がるけれど、、、:4月1日から消費税が8%に上がり、既に請求書も8%の物も来ている。納税分は有無を言わさず5%から8%に上がるので、これは自分の所も含め中小の企業には大きな負担増である。だからといって、すぐに価格転嫁出来るかというと、そうもいかないので現実は更に切り詰めてやって行くしかない。一方で、法人税も諸外国並みに10%位引き下げて行くと言っているが、どうなる事やらである。しかも、これは消費税と違って利益が出なければ恩恵もないのである。直間税率のアンバランスは昔から言われていた事で止むを得ないし、これだけ産業の空洞化が進むと遅きに失した感も否めない。思い起こせば、日銀が強制的にバブルをつぶし、一気に国の負債が出来、入口をしめるだけで出口はしまらないままにジャブジャブと垂れ流し、既に1000兆円を超える借金大国になってしまった。本気になれば、まだ残された方法はあると思うがギリシャの二の舞は御免である。納税の負担増を強いられても、それが焼石に水にならぬよう国にはしっかりしてほしいと願うばかりである。という訳で、今回料金据え置きで頑張るので、利用者の皆さんにはご安心頂きたいと思います。

2014/3/3

ソチも終わって:今回のオリンピックについては、色々な感想をお持ちだろうが、日本はおおよそ妥当な結果に終わり、次のオリンピックへの期待や地元への勇気付けにもなったと思う。それにつけても、スピードスケートのオランダの圧倒的な強さには驚かされた。身体的に恵まれている上に、日本のような技術も取り入れているようだが、決定的な理由は何であったのか知りたい所である。一方、日本人で活躍した人達に共通していたのは、上手に筋トレを取り入れていたことであった。近年はインナーマッスルを鍛えるなど、従来の運動理論とは様変わりしてピンポイントに必要な筋肉を鍛えるように変わったと感じる。さて、話はかわるが医療の分野では、近年腸や脂肪組織への関心が高い。腸を健康に保つ事で、免疫能を高め病気の予防に役立つことがよく知られて来た。又、脂肪組織にはアデイポネクチンという、ホルモン様物質が成人病予防に重要なことも知られて来た。一方で、肥満化するとその機能が低下すると言われている。従来より、脂肪吸引手術により、高血圧や糖尿病の改善報告はあるが、この手術は体型補正以外にも健康上も寄与するといえる。特に、女性は男性に比べ、皮下脂肪の割合が高いので、適応のある人(即ち、皮下脂肪の過剰な人)では、手術の意義は大きい。こういった事などより、最近は脂肪組織は重要な臓器の一つとまで考える人達もいて、生体維持のメカニズムは実によく出来ていると思うのである。

2014/2/4

マウスの、、、:体細胞を初期化し、万能細胞に出来たという事で大騒ぎである。地 道な研究を重ねた結果、弱酸性液に25分程度つけるだけで出来たとの事である。生物 学的な常識を覆した快挙であり、それ自体に賛辞を惜しまない。一方で、人への臨床 応用を考えると課題はこれからで、実現化するかは勿論不明と言わざるを得ない。か たや、iPS細胞は、再現率0,1%とか、発がん性のリスク等ネガテイブな報道がさ れた。いずれにせよ、まだ再生医療の素地が不十分なので、(現実的には、現在利用 可能な幹細胞を使って他人からの臓器移植が不要になったり、神経のような再生不能 な組織の再生治療が一般化して来れば可能性も広がるだろうが、、、)今後の発展を 待つ必要がありそうである。とに角、いずれ何らかの有意義な臨床応用のきっかけに なることに期待したい。研究者は皆、多かれ少なかれ地道に研究をしているので、結 果の有無でお祭り騒ぎのように個人を扱うメデイアの姿勢には、正直引いてしまう。 一方で、NHKの外部からの新役員のそんなに違和感のないコメントに対し、辛辣な報 道があり何か裏がありそうに感じてしまう。これは、1965年の日韓国交正常化に伴 い、日本が当時の韓国の国家予算の約2年分の賠償をして、戦時補償として全て決着 しているという見方が国際的に見ても正しい筈である。さらに、無償供与されたイン フラなどもきっかけとして、韓国が「ハンガンの奇跡」とよばれる経済復興を果たし た事は多くの日韓人の知る所である。そして、韓国政府も比較的最近までは、日本と 協調する冷静な姿勢を取って来た。しかし、昨今の韓国経済の不調に対する国内の不 満をジャパンパッシングでかわそうという意図かもしれないが、日本のメデイアまで が一緒になって、そういう事に踊らされたりあるいは利用したりするように見えるの には多いに疑問を感じてしまうのは私だけだろうか。

2014/1/14

2014も始まって、、、:また、新しい年が始まりました。だからといって、なんら治療方針に変わりはありません。基本的に、リピーターと本当の口コミが中心ですので、派手な宣伝も必要ないと思っています。ただ、いい加減な情報も多いので、最低限の情報発信はして行かなければいけないのかと思っています。取りあえず、不安な人はカウンセリングだけでも来ればいいのですが、間違った情報を植え付けられている人達もいて、キチンと分からせるにはそれなりにエネルギーを要します。その辺は割り切って、とりあえず今年も自分の出来るキチンとした治療を継続して行こうと思います。

2013/12/1

玉石混交な、、、:最近、幹細胞を使った治療を色々耳にする。これは、山中教授のips細胞(胚細胞由来の幹細胞)発見以来、俄然注目された事によると思われる。従来の、ES細胞(胚性幹細胞:Embrionic Stem cell)では倫理的問題(受精卵の使用やクローン等)があり、法整備が必用とされて来て、臨床応用はまだ先と考えら れて来た。しかし、ips細胞を用いた再生医療が倫理的問題をあたかも全て解消したかのように報道されていた。従来、骨髄幹細胞を用いた白血病の治療や、血管、神経の再生等の報告はある。しかし、最近は便乗商法なのか、よくわからない治療も横行しているようで、訴訟さわぎにもなっている。幹細胞には、生命個体の全てに分化しうる能力を持つ胚性幹細胞と、ある程度決まった系統への分化可能な体性幹細胞 (Adult Stem cell)とに分類されるのだが、この体性幹細胞が脂肪細胞中にある事がわかり、これを使って色々と治療している所が多いようである。しかし、幹細胞が種々の細胞 に分化するには条件がある。先ず、場という環境が無ければ上手く作用しないし、分化できる細胞にも限界があったり、増殖因子の必要性や細胞そのものの量的問題等もある。やみくもに、万能の効用があるわけではない。昨今、急に根拠の乏しい治療を高額(数百万円する)所が増えているらしく、癌や難病の治療がさも可能のように行っているようである。この為、再生医療も認可制度を設ける話も出ており、根拠の 無い治療をしている所では自粛して欲しい所である。一方、脂肪細胞中の体性幹細胞については、既に臨床的に脂肪細胞や血管等の間葉系細胞への分化が認められており、脂肪の生着への有効性が知られている。勿論、治療における限界もある。それは、細胞の量的な確保の問題で、豊胸手術では極端に痩せている人では十分な効果が難しいと言える。又、当院では少量の注入を要するような、顔への局所的注入等では、より有効性を高める目的で、増殖因子として、血液を分離して、多血小板血漿(PRP:Platelet Rich Plasuma)を注入するようにしている。これはPRPがTGF-β、IGF、PDGF(サイトカイン、成長因子)などの生理活性物質の集合体といわれ、未分化間葉系幹細胞を活性化する事が知られており、脂肪の生着に有利に働くからである。今は、玉石混交の時代であろうが、これが再生医療の発展を妨げるのであれば元も子もないと思う。

2013/10/28

豊胸の現状は、、、:豊胸の方法は大別して、生体組織と人工物利用に分けられます。なるべく、生体組織を使う方が良いのですが(安全面や自然さから)、限界もあり、やむを得ず人工物に頼る事もあると思います。生体組織とは、自分の脂肪注入するものです(他人の物では免疫の拒絶反応が起こる)。乳房が乳腺組織と脂肪組織からなっていると言って良く、その大小はほぼ脂肪によります。従来から、脂肪注入法はありましたが、普及しない理由もあります。一つは従来からの理論が曖昧であった為で、採取した脂肪をよく洗えと言われていました。これが、脂肪の生着率を下げ、しこりが出来やすい原因でした。しかし、近年脂肪組織の中に幹細胞類似細胞(かんさいぼう:多分可能を持つ特殊な細胞)の存在が知られ、豊胸手術の質が向上しました(脂肪の生着の向上や感染の防止、しこりになり難い等)。それでも、極端にやせている人では限界がありますし、乳がん術後の放射線治療後で皮膚が固くなっている人などは難しいと言わざるを得ません。十分な効果(カップで2サイズ位のアップ)には、片側につき150cc以上の脂肪の確保が必要と思います。普及の妨げの2つ目は、無菌操作の重要性であり、慣れていない施設では感染を起こしやすく、対処もままならないからです。この為、安価なヒアルロン酸注射やバッグ挿入をしていますが、バッグでは違和感(見た目、感触、重苦しさ等)や拘縮(異物反応により固くなること)、破損などの問題もあります。例外的な人を除いて、現状ではこの脂肪注入法がベストである為、私もバッグ(安全面から生理食塩水のみ使用)の使用も打ち切りました。正しい知識の普及が大事なのですが、誤った方法が一般に行われている現状はなかなか変わらないようです。

2013/9/30

昨今の世相は、、、:最近のネット網の拡大やグローバリゼーション化により、社会の変化は昔と違い著しく速い。それに伴い、法整備が追い付かない事を逆手に取った、悪質な犯罪も後を絶たない。例えば、これだけ言われていてもオレオレ詐欺は無くならないし、匿名性を利用した犯罪も多い。しかも、それが明らかになった時に、従来固い職業だと思われていたような人達が関与している事があり、驚かされる。又、ネット関連の仕事の業者にも、とんでもなくデタラメな者もいる。そして、これらの解決策は教育でしかない。勿論、個々人の意識や社会人としての自覚という人もいようが、結局は教育に依る所である。経済も重要なファクターだという人もいようが、少なくとも日本では教育を凌駕しない。では、一体何を教育すべきかという事になるが、実際にネットで問題になっている事を一つ一つ洗い出し、それに対処する方法を見出し、規制したり啓蒙、普及するしかない。又、社会人としての在り方を徹底して教育して行くしかない。そして、これは国家プロジェクトとして、早急に対処すべき事である。(実際にサイバーテロ対策としての動きはようやく始まっている。)それを、教育現場や職場に還元していかないと、増々問題は起こって行くだろう。どんなに便利なツールが出来ても、それを悪用することに罪悪感のない人達もいるからである。そして、当たり前の常識だと思われていた価値観も崩壊し、多様化している。例えば、同業のチェーン展開している所などで耳にするが、キャンペーンとかクーポンなどを使って医療を行い、勧誘し集客している所もある。(これは景品法や医師法で厚労省から禁止の指導がされている。)又、まるで悪質エステのように客が断り難い状況を作り、一方的にあまり必要性のない手術を勧め、してしまう話も聞こえて来る。一見、安く見せる派手な広告の業者には裏があるので、一旦冷静になり断る勇気も必要である。患者の不安を煽り、医学的根拠の無い治療を付加して金額を吊り上げたり、別の高い治療法を押し付けるなどの手法も使うらしい。道徳意識の低い人達(これは医者に限らず、弁護士や公務員でも少なからずいる。)がいる事を踏まえ、先ずは個々人が被害に遭わない注意が必要である。

2013/9/2

百人いれば百通りの、、、:例えば、二重の手術をするにしても、全く同じ手術をしている訳ではない。勿論、術式として埋没法(糸で留めるだけの二重手術)と切開法(これは種々考えられる)という、大きな区分は出来る。しかし、例えば人によっては蒙古(モウコ)ヒダの被りの違い(それも左右差もある)があり、その処理が必要な場合もあれば(目頭切開が必要な場合)、埋没法でも留める点をどこに、どの深さでするのがベストか人によって違う。更に、眼瞼挙筋(ガンケンキョキン、マブタを上げる筋肉)の処理が必要な場合もある。(このアプローチも前面と後面とある)切開法も、タルミの程度により小切開だけで良い人と、タルミをスッキリさせる為皮膚処理が必要な人もいる。加えて、脱脂(ダッシ、脂肪を取る事)の程度をどの位にするかとか、上眼瞼の脂肪の袋が内側と中~外側とにあるが、それをどんなバランスで取るのが良いかとか、百人いれば百通りの考えで手術をしなければいけない。勿論、これを本人の希望に沿ってベストな術式として提示しなければならないので、それ程単純ではない。その為、長年の経験や解剖知識が必要で、相手に十分理解してもらう説明も要求される。それゆえ、たかが二重の手術だろうがと言う人もいるが、最低10年以上の経験と研究、試行錯誤があって、色々な引き出しを持った上で初めてキチンと出来る世界だと思っている。それが、美容外科は二重に始まり、二重に終わると言われるゆえんだと思う。ただし、手術の複雑さとは別に、料金についてはなるべくシンプルにしている。これは、多かれ少なかれどんな手術にも通じる事であり、たとえ新しい治療が出ても、すぐに飛びついて喧伝する姿勢には中々同調出来ない所である。

2013/7/22

ナンだかなあ、、、:以前にも書いたが、口コミサイトの営業が時々あり、中には明らかに悪質な物もあり断って来た。しかし、美容外科業界では今このような広告目的の作られた口コミが結構氾濫している。最近もこの手の業者から、有料で口コミを書き込まないかという勧誘があり、丁重にお断りした。それは、口コミを病院側で管理し、そのサイトに投稿する形式だという事であった。有料で、細かく料金設定もされていた。基本的には、口コミは患者側が客観性をもって自己責任で投稿すべき物で、病院側が都合良く操作するものでは無いと思う。又、むしろ本当の口コミは直接広まる物だと思っている。こちらも派手、脱法的広告までして集客するつもりも無い。そのような訳でこのような業者と関わるつもりもなかった。その業者の当院の口コミサイト(むこうが勝手に作っているのだが、、)には、明らかに幾つかの同業者がその業者と契約していて、都合よく宣伝のために口コミを作り自院に誘導しているようであった。その中には、かなり悪質な話を何度も患者から聞かされた所も含まれており、客観的なふりをして良いイメージの演出をしているのだなとわかった。このサイト業者は私が契約を断ったのが気に入らなかったのか、あるいは契約させる手段のつもりだったのか、その後第3者を装い当院の誹謗、中傷を掲載して来た(それもわざわざ古い日付けで)。明らかに事実無根だったので再三取り消しを求め、ようやく応じてきた。これも、他院との契約の中で当院を貶めようとするサービスの一環かもしれないと思うと、ナンだかなあの世界である。

2013/7/22

眼の上下の開きについて:眼を大きく見せたい場合、一般には上下方向が多い。この場合二重手術により大きくなるケースは、一重の人が二重にする事で皮膚の折り返し効果による拡大と極端な奥二重の人で皮膚被り位置の上方への変化による被り解消効果とが主である。二重の人が幅変更による効果としては、二重までの幅までを眼の幅のように見せる見せかけ効果と脱脂等によるクッキリさせる被り幅増加効果が一般的と思われる。それ以外の方法としては、眼瞼挙筋(がんけんきょきん:瞼を挙げる筋肉)短縮で、これは通常眼瞼下垂の人に行う手術である。アプローチとしては、前方(表面側)と後方(裏側)の両方がある。前方の場合切開を要する、一方後方ではその必要がない。一般に、閉眼の制限やまつ毛の反り過ぎに注意が必要である。先天的な眼瞼下垂では瞼が腫れぼったく、皮膚も厚い場合が多く、このための処置も必要な場合があり、この場合前方アプローチが適する。そうでない場合、即ち加齢や長期コンタクトレンズの使用などの場合は後方アプローチが良いように思っている。最近は、この後方アプローチを使うケースが多い。時間は両目で約30分位、料金も両目で8万円(片目の場合5万円)にしている。ただし、二重手術を繰り返している人など癒着により効果のわかりずらいケースもある。後方アプローチは開閉眼をさせながら調整出来、通院も不要のメリットがあるが、難しいケースではやや腫れが長引く(2~3週間程度)ことがある。これは、筋肉の操作では腫れが出易い事による。

2013/7/8

目頭、目尻切開について:目頭切開については、よく理解されていない印象があるので、書いてみる。目頭にある蒙古ひだ(目頭の皮膚の被り、東洋人で多い)を開放して二重のラインを目頭側から出るようにする手術である。これは、ただ皮膚を除去すれば良いのではなく、内眼角の皮膚の緊張を取る為キチンと切れ込みを作らないといけない。そうでないと、容易に戻るばかりか、傷痕も緊張で伸びて目立ち易くなる。実際に他院の術後の傷痕として相談されるケースも少なくない。更に、目頭側の瞼が腫れぼったい場合、眼窩脂肪も除去した方が良い場合もある。手術効果として、内側に目が広がった効果を出すことが出来る。ただし、皮膚の被りの無い人や少ない人は効果がないので適応がない。即ち、手術の必要の無い人もいるという事である。ただし、臨床の場ではそういう人が手術を受けてるケースに遭遇して、首を傾げたくなる事がある。一方、二重の手術を加えないと目頭切開の効果が不十分な人もいる。又、人によっては、片目だけが必要だという人もいる。更に、蛇足として専門的で恐縮だが内田氏法という比較的標準の術式があるが、自分は傷が無用に長いと感じるのでそれを最短にして、なるべく目立たないよう工夫している。次に、目尻切開は目尻の皮膚の余裕(白目と皮膚の外側縁の距離)が多ければ外側に眼を広げる方法として適応があるが、眼が上下方向に広がる訳では無いので癒着により若干戻りやすいと一般に言われている。これを、希望する人は比較的まれである。尚、眼を上下方向に広げるには、二重手術か眼瞼挙筋の短縮が必要でこれについては今度の機会にします。

2013/6/24

ワキガ、多汗症につて:先ず、当院の治療法としては、そうは吸引法と切開法とがあり、大多数の人は吸引法である。これは、局所麻酔下に脇の有毛部の端を1cm程切開し、ニオイの原因であるアポクリン汗腺と汗の原因であるエクリン汗腺とを、掻きとって吸い取る方法である。30~40分程度の治療で、通院は不要、費用は10万円である。脇の部分に簡単な固定をするので、2~3日付けておいて自分ではずせば終わりである。シャワーは翌日から、激しい運動も1週間後から可能である。大抵の人はこれで、脇のニオイや汗の問題は解消する。万一、その後に気になる人には切開法で差額の料金(8万円)で行っている。切開法では直接見て汗腺の取り残しがあるか、確認出来るからである。多汗症で皮膚の厚い人や、とても神経質な人、吸引法では不安だと言う人、他院の術後の人などは切開法を行っている。この方法は有毛部の真ん中付近をしわに沿って4~5cm切開し、直接汗腺をハサミで丁寧に除去する。皮膚の固定のための抜糸の必要があり、最低1回通院(約1週間後)を要する。又、1ケ月位は傷口を強くこすらない注意が必要である。手術後のリスクとして、皮膚の回復が悪い事がありうる。これは、有毛部が広い人や皮膚が薄くて弱い人などで治り難い事がありうる。手術中に事前にわかるので、傷の保護処置を加えることで先ず心配ないと言える。又、固定の仕方など細かいノウハウが実際にはあるので病院(実際にはDrの技量)による差があるのは否めない。尚、傷は一般に目立たなくなってしまう。費用は18万円、1時間半程の治療である。ボトックス(神経毒注射)を使う方法や、最近は機械で治療する方法もあるが、効果の持続性など患者側のコストに身合わないので、当院では手術法をベストと考え今後も変えない方針である。

2013/6/10

あまり勧められない治療について:どこの世界でも常に流行の物が出て、廃れていくのは世の常である。しかし、こと医療に関しては、後遺症等の問題もあり慎重でなければならない。一つ目はボトックスである。ボツリヌス菌の出す毒素から生成された物だが、元々生物兵器として開発され、その毒性はサリンの一万倍以上といわれ、地上最強の猛毒といわれている。作用機序も脱神経作用であり、副作用も高く、ズサンな管理下で安価な中国や韓国の物が多用されている。(国内使用の9割以上といわれている。)私が考える適応としては、筋緊張の強すぎる眉間のしわで、ヒアルロン酸注入や皮膚切開がダメだという人と、アゴの筋肉(咬筋)の異常発達で、脂肪吸引やエラ骨削りでもダメな人にだけ慎重に使うのが良いと思う。ちなみに、当院では必要性が少ない為使用していない。二つ目は安易なつり上げ糸によるタルミ取りと称する治療である。容易に効果がなくなり元に戻りやすいのと、入れるのは容易でも除去はたやすくない事である。以前、金の糸を入れる治療もあり、都合の良い事をうたっていたが、今ではほとんど忘れさられている。あくまで、糸に対する生体の拒否反応として周辺にコラーゲンが出来るに過ぎない。三つ目は豊胸用ヒアルロン酸である。これは、不純物を多くふくむ安価な物であるが、ほとんど効果がないばかりか、(100ml程度では効果を実感出来ない人が多い。)逆に大量に入れると不純物だけが残りネチネチした不純物だけが残り不具合を生じる。四つ目は、フラクショナルレーザーの乱用である。元々、傷痕やニキビ跡の修復に2~3回位しておくものだった。それが、正常皮膚の人に広汎に繰り返し行う場合、特に炭酸ガスレーザーのような高出力の場合、皮膚本来の生理機能を失う恐れがあり危険だと思う。以前、ピーリングでも繰り返しのリスクから、今はほとんど行われなくなったが、フラクショナルレーザーでは、必ず治療部位が瘢痕組織に変わるメカニズムがよりリスキーである。それ以外にも、脂肪溶解注射やら色々あるのだが、徐々に廃れてはいくと思う。あくまで、私が懸念しているのは結果として取り返しがつかない状態にならなければ良いと思うだけである。(まるで、原発の安全神話のように派手な広告だけが一人歩きしてはいるが、、、)

2013/5/23

顔の美白や引き締め治療:軽い皮膚のタルミ改善や美白目的として、レーザーやラジオ波、光治療器や近赤外線治療器などを用いた皮膚の治療がある。レーザーのメカニズムとしては、Ndヤグレーザーのような長い波長(1064nm)のレーザーを照射し、皮膚深部のコラーゲンを引き締めて張りを出すタイプのものと、フラクショナルレーザーのような、小さな穴を多数あけて皮膚の修復を促し、張りを出すタイプのものとがある。前者は刺激が少なく、すぐに化粧もでき、徐々に皮膚の引き締まりが起こるとともに、肝斑のようなシミや赤ら顔の改善効果もあり、特に皮膚の敏感な東洋人には向いているものである。フラクショナルレーザーは、いわば剣山を当てたように針孔を多数あけて(実際には小さく高密度だが)、皮膚の修復を促すもので、レーザーの種類も幾つかあり、数社からでている。しかし、より作用の強いタイプのもの(炭酸ガスレーザーのような高出力のもの)は、刺激が強く数日間かなり腫れる事がある。しかも、皮膚の生理的機能の観点からすると、正常な皮膚の人が繰り返し治療することの安全性には疑問が残る。それは、たとえ目に見えないレベルの針孔であれ、多数の穴が開き修復するので、必ずそこは瘢痕組織になる。ゆえに、広汎に繰り返し治療した時に正常皮膚組織が減ってしまい、湿潤性が失われ皮膚の硬化や皮脂成分の減少が懸念されるのである。元々、傷痕修正やニキビ跡の修復目的で作られた機械である。次に、ラジオ波(RF)とは電気の事で、単極や双極、皮膚浅層から深部に及ぶものがある。(商品名オーロラ、ポラリス、サーマクール等)どうしても、電気を流すので痛みが欠点である。又、サーマクールではやけどが心配である。(新しいタイプでは、改善されたようだが新しい機械はあまり普及していない。)更に、ラジオ波の場合の電磁波が細胞遺伝子に対する影響は明らかにされていない。次に光治療器であるが、レーザーが単一波長の光を照射するのに対し、これは400nm~1400nm位の幅の光の集合体を照射するもので、どちらかというと美白効果が強く、クスミ除去や脱毛効果、ホクロを薄くする効果などがある。皮膚引き締め効果は左程強くなく若い人にも向いている。ヒートショック効果(熱作用による細胞若返り効果)も期待出来ると思われる。最後に、近赤外線治療器(商品名タイタン)であるが、これは1100nm~1800nmとより長い波長帯の光を照射して皮膚深部に作用して、加熱してコラーゲンを作り、引き締め作用を促すものである。サーマクールと作用部位はほぼ一緒だが、痛みの心配がなく安全なメカニズムゆえに、私はこれを使っている。ヒートショック効果もより強いと考えられる物である。このような観点から、当院ではNdヤグレーザーと光治療器、近赤外線治療器を治療に用いている。尚、いずれも医療機器なので、医師が治療するのが原則となっている。

2013/5/13

脱毛について:脱毛治療において重要な点としては「永久脱毛が得られるか」「安全か」「処置が容易か」といった点が挙げられる。先ず、永久脱毛の定義として、1年以上その部分から発毛が無ければ、その後発毛の可能性が極めて低く、永久脱毛とされている。機種的には、医療用半導体(ダイオード)レーザーと医療用光脱毛器の一部で確実に永久脱毛が得られる可能性が高い。ただし、男性の口回りのヒゲについては一般に治療が難しい。(特に密度の濃い人)一方、顎ヒゲや頬のヒゲは比較的容易に効果が得られる。ダイオードレーザーの場合、レーザーの特性として、エネルギーが直線的に減衰するので、皮膚表面側で熱量が高くなる。この為脱毛効果を得る為に繰り返し治療した時に、熱作用により皮膚表面の色素沈着が起こりやすかったり、毛の密度が濃いと治療の際の皮膚刺激が強いのが難点である。医療用光治療器は、IPL等機種により発光特性が異なるのだが、当院の物では皮膚表面より深部でエネルギーが高く出来るよう設計されている。(フォトリサイクリングシステムという)これにより、ターゲットの毛根部でメラニンに反応して十分な熱変性を起こす事が出来る。そして、治療時の皮膚刺激が少ない上に、繰り返し治療しても色素沈着は先ず起こさない。又、先端プローブがレーザーより大きいので、短時間での処置が可能で、全身でも1時間程で終了する。脱毛には、緩和時間と出力というパラメーターが重要で、条件が揃わないと安全かつ有効な治療が出来ない。レーザーでの脱毛は、毛が切れるだけの物や一時的な効果の物もあり、注意が必要である。ただし、脱毛時は日焼けを避けておく必要がある。日焼けしていると、シミのように認識して皮膚に反応してしまうからだ。料金については、一般に部位別コースがあるが、コース途中で継続不要の時は他の部位に振り替えて治療も出来る。又、1回毎の治療も可能である。全身では1回6万円だが、10回(60万円分)に達した時は、その後回数無制限で継続出来る。以上、ご不明な点は直接お電話で聞いて欲しいと思います。

2013/3/25

花粉症治療について:今年は花粉量が多いだけでなく、pm2.5や黄砂など余計な心配まである。当院の治療としてはレーザーによる鼻の粘膜治療が10年来ある。自分でも、昔治療して暫く良かったのだが、今年症状が出て早速治療して症状が軽減して助かっている。スタッフにもいたので治療を行ったところ、今までにない鼻の通りだと感激され、その後も平気そうであった。鼻粘膜にカーボンを塗ってNdヤグレーザーをあてるのだが、5分程度で終わり通常1度治療すると1~2シーズンは有効と言われて来た。当院では、1年間有効で治療の繰り返しが可能で費用は6万円である。炎症性浸潤の強いタイプの人(簡単に言うと症状の強い人)では、若干繰り返しが必要のようである。

2013/3/22

現在、ホームページが見ずらい状況となっており、大変ご迷惑をおかけしております。新しいアドレスは www.nishizawa-keisei.jp となっております。よろしくお願いいたします。

2012/12/10

脱毛について:女性限定で全身、回数無制限60万円で行う事としました。年末、年始休業について:12/30(日)~1/3(木)までとなりますので、よろしく願います。

2012/11/29

豊胸について:これについては、従来からバッグのみを扱っている所、脂肪注入もできる所、その他の異物を注入する所がある。当院は極力安全性を重視する姿勢から、なるべく脂肪注入にこだわって来た。しかし、美容外科学会で一般に勧められてきた従来のやり方は、今ははっきり間違っていたとわかる。その為、効果が不安定でシコリも出来やすかった。自己組織を用いる原理は良かったのだが、不十分ともいえた。6年程前から、幹細胞の存在が脂肪細胞の中にも知られ、それを有効に注入する事こそが重要である事がわかり、現在は脂肪注入こそ豊胸に対する最善の方法である事が確立されたと言える。それでも、効果を考えると注入量としては、ある程度以上が必用である。経験上、片側につき150ml以上が望ましく、なるべくそのようにしている。一方、異物(不純物を多く含むヒアルロン酸等)を直接注入する方法は、効果が少ないばかりでなく、入れすぎるとシコリだけが残る事になる。又、バッグについては当院では安全性から生理食塩水のみを使用してきたが、安定性にも問題があり、今は取り止めている。

2012/11/26

PRP,hGFについて:PRP(platelet rich prasma,多血小板血漿の略)は自己血液を採取し、遠心分離して作る物である。傷の治癒を早めたり、血小板が凝固するときに成長因子がでて皮膚のコラーゲン増加作用などが有るといわれ、数年前から当院でも取り組んで来た。傷の治癒を早めるのでフェイスリフトの手術の時などに注入し効果を実感している。又、顔のクボミなどの脂肪注入の際に同時に注入し、より効果があると実感している。ただし、単体使用例では賛否両論なので、今はあまり積極的に勧める事はない。一方、hGF(human growth factor,人成長因子の略)は製剤として、EGF,FGFなどが出ている。化粧品、パック等でも使われているが、効果を実証するデータにお目にかかっていないので、コメントは控える。個人的には経皮的には、ほとんど効果がないと考えるのが普通だろうと思う。一方、皮内に注入する方法については、効果は有るものの、その定量化が不確かな上に長期に増え続ける例も言われている。制御不能な点では、腫瘍が出来た事と同じとも言える。即ち、線維芽細胞腫(せんいがさいぼうしゅ)である。例えば、これにRF(ラジオ波、電気の事)である、オーロラ、ポラリス、サーマクール(いずれも機械の名称)のような治療を併用し、継続した場合にその電磁波による影響、即ち細胞遺伝子の癌化が起こらないのかちょっと心配になる。製剤そのものの安全性も不明である。PRPのような自己組織であれば、安全性に疑問はないが、hGFについては現状慎重にならざるを得ない。それは、過去に悲惨な事例があまりに多く、それがわかるのにも多くの時間を要するからだ。一方で、一般の人達には不都合な真実は隠ぺいされ、都合の良い誤った情報だけが一人歩きしていたりもする。確実なデータが出て来るのに、もう少し時間が必用だと思っている。

2012/11/12

最近見たテレビのことだが、しわ取り目的で口腔内の細胞を培養して注入するという物があった。それ自体は別に驚くに値しないのだが、極めて高額だった事と、これを再生医療と謳っていたのだが果たしてそういうのが妥当なのか疑問に思った。細胞を培地で培養し殖やす事と、生体に移植して生着させる事も条件が違い慎重な判断が必用である。他の方法、例えばより安価に出来るヒアルロン酸注入後の自己コラーゲンの出来方との科学的分析下での比較なども必用である。こういう素人であるマスコミを使った手法は、乱暴すぎて信用できない。所詮、広告活動の一環でしかないとしか思えないからだ。

2012/11/5

シミ取りについて:シミの治療は、そのタイプによって治療法が異なりますが、一般的に多いレーザーで取るタイプの説明をします。適応は10円玉のような、ほぼ円形の辺縁が明瞭なシミである。原因の多くは日焼けである。レーザーを当てると瞬間的にカサブタになり、翌日には黒くなる。1~2週間で必ず剥がれ落ち、通常白っぽいか少しピンク色である。その後は、日焼けに注意して徐々に肌色に落ち着いていく。肌の弱い人では、数日後から色素沈着を起こし、シミが戻ったようになる人がいる。これは、半年~1年位で薄くなるが、気になる人にはハイドロキノンを処方している。もし、シミが一部残ったような場合、3か月以後再度レーザーで完全に取るようにしている。シミは取れないと思っている人や、化粧品を長年使って悩んでいたような人が、案外簡単に取れるのを知ってびっくりする事も少なくない。

2012/10/29

美白、引き締め治療について:メカニズム、安全性、痛み、複合治療の重要性から、当院では引き締め治療としては、近赤外線治療器(タイタン)を使っている。これは、皮膚の水分部分に反応してコラーゲンを作る事で、サーマクールのような電気を流す治療と違って、安全で安定した引き締め効果があり、痛みの心配の要らない物である。加えて、美白治療としては主に光治療器を使っているが、これも電気ではないので安全で痛みの心配がない。波長帯が広いので色々な効果(ホクロ、シミ、クスミ、脱毛、ニキビ等)がある上に、両者のメカニズムの安全性から同時に複合して加えた治療が出来る。更に、主に血管病変が気になる人や、肝斑の人ではNdヤグレーザーによるフェイシャルに変える事もある。これに、超音波でビタミンCを皮膚にイオン導入する事で、コラーゲンをより作ったり、美白効果を高めるようにする事で、単独治療以上の効果が出せる。それでも、取りきれずにシミが残った時はQスイッチ、ヤグレーザーで取るようにするので完璧なコース治療が可能となっている。

2012/10/21

脱毛について:重要なことは、永久脱毛が得られるか、安全か、処置が楽かといった所だと思う。機種としては、医療用半導体(ダイオード)レーザーか医療用光治療器で永久脱毛が可能な物があると言われている。レーザーの場合エネルギーが皮膚表面側で高いので、繰り返しの治療で色素沈着し易いのと、皮膚刺激が強く痛いのが難点である。医療用光治療器は機種により違うが、皮膚内部でエネルギー効率を高められる物があり、当院ではこれを使っている。結果として、皮膚刺激が少なく効率的な永久脱毛が可能で色素沈着の心配がない。脱毛のためには、緩和時間と出力のパラメーターが重要で、これが揃わないと安全かつ有効な治療が出来ない。余談だが、脱毛用レーザーは10数年前から出始めたが、当時アレキサンドライトレーザーとヤグレーザーとがあり、使用実験(深部での毛の破壊を比較した物)で当院では後者を選んだ。それでも、時間がかかり効果もまだ今一つだと思い宣伝もしなかった。一方、アレキサンドライトレーザーはKクリニックが派手に宣伝していたが、いつのまにか尻すぼみになって、仙台からもいなくなった。その後、現在の光治療器にして、治療も楽で患者さんの満足度も高く良かったと思っている。一方、エステでは医療行為は禁止されているので、一時摘発され刑事事件となり数年間下火となっていたが、最近雨後の竹の子のように増えているので注意が必要だ。

2012/10/18

最近の美容医療に関する問題に対して、ようやく宮城県でも広告規制をする動きがあり、1~2か月でフリーペーパーなどの広告も徐々に改善されそうだ。特に、チェーン展開している美容外科で多いのだが、違法な誇大広告や不当、修正写真等の使用、やらせの内容等、内容は様々だが、安い料金表示を装い集客し、広告と異なる料金を徴収したり、未熟な施術トラブル事例が跡を絶たないようである。当院にも、他院での問題を抱えた患者さんがこれまでも多数来院し、今まで何とか力になって来ている。本来、法的規制があるのだからもっと以前からキチンとすべき事の筈である。勿論、これだけで問題が一掃できる訳でもないし、他業種でも問題のある所もある。質の悪い業者もいて、うんざりさせられる事も日常である。とにかく、少しでも正しい方向に向かう事が、結果的に一般の人の利益に帰する事になり、それに越した事はない。

2012/10/11

京大の山中教授がノーベル生理、医学賞を取って、最近話題である。体細胞に対して、比較的簡単な遺伝子操作を加え、細胞を初期化し多分化能の細胞に変え、再生医療や難病の解明に役立てようというものだ。従来の胚細胞からの再生医療には、倫理上の問題があるが、これは大丈夫という意見もある。しかし、一方で商業的に悪用される懸念もあり、倫理的な法整備が必用だ。再生医療については、従来幹細胞により再生不能であった血管や神経の再生などが臨床的に可能になっている。脂肪細胞の中にも同様の機序を持つ細胞があることが解明され、豊胸治療では生理的で効果的な方法として認められている。クローン牛や遺伝子組み換え食品の安全性や倫理上の問題が以前話題になったが、純粋な科学的進歩と倫理を失いがちな資本主義経済との折り合いは、常に大きな命題である。

2012/10/1

最近の患者さんの事だが、仙台在住の人で瞼のタルミが気になり、どこの美容外科に行ったらよいか迷ったそうだ。美容外科を紹介するサイトで勧められ、福島の郡山まで行き治療を受けた。だが、本人が納得できるレベルではなく再治療を受けたそうである。それでもダメで、これ以上は無理だと言われたそうだ。後で、タダで紹介すること自体変だと気付いたそうである。色々調べ、当院を受診したらしい。確かに、本人が言うように、ラインは不整だし、本人の気にする部分はスッキリしていないし、タルミもまだある状態であった。そこで、治療をしてみると皮膚のタルミを少し取って二重のクセ付けだけをしたものであった。多分、この程度の治療をしている所も多いし、そこの医師の力量ではこれ以上無理と言うのもやむを得ないと思われた。先ず、この人の瞼の被り方が垂直に落ちるタイプで、被りやすい事を考慮し余分な皮膚を処理し、皮下組織と脂肪の為に腫れぼったい部分を除去し、キレイな二重になったので本人も満足していた。口コミサイトや紹介サイト等は当然業者が介入しており、信用出来るとは限らない。当院も、同業者等から嫌がらせをされた事もある。以前から色々勧誘は来ていたが、全て断ってきたので、最近は相手にされずスッキリしている。

2012/9/24

刺青除去について:最近、この来院者が多いと感じるが、容易に入れる人も多い反面、結果取りたくなる人が多い為だと思う。又、聞くところによると当院の料金が他院よりかなり安いのも一因かもしれない。刺青除去は基本的に繰り返し治療を要するので、なるべく続けられるように考えてのことである。思えば、17年前にQスイッチルビーレーザーを導入して、皮膚深部のアザや刺青を皮膚を傷めずに除去出来るようになった。当時日本に数台しかなかった機械で、東北では初めての導入であった。円安でもあり、値段は土地付きの高級住宅が買える位だった。維持費も結構かかったが、丁寧に使ったので10数年使え、なんとか元はとれたかもしれない。その後、Qスイッチヤグレーザーに変えて3,4年経つが、コンパクトで機能的には十分である。高級外車程度の値段だったので、安い料金設定でもなんとかやって行ける。ただし、レーザーによる刺青除去にも限界がある。特に、黄色、オレンジ、ピンク、水色など、取れにくい色もあり万能とはいかない。

2012/9/16

フラクショナルレーザーについて:最初に目にしたのは、出始めの5,6年前だったと思う。傷痕の修正やにきび跡に効果的ということで、デモ機を見に横浜まで行った。実際にどうなのか体験する為に、顔のしわ1か所と古い腕の傷痕に当ててもらった。ヤグレーザータイプのフラクショナルレーザーでしわにはほとんど変化や効果を感じなかった。傷痕の方は直後から少し赤くなり、暫く赤かった(たぶん2~3週間)。その後、元々の傷痕のピンク色が白くなり、傷も目立たなくなったと感じた。一度で十分だった。ただ、適応が限られるのと、他の機器で十分代用出来ると感じ、導入はしなかった。その後、研究会などで他のフラクショナルレーザー(炭酸ガスレーザー)などでひどく腫れてひどかった症例など見せられてより不要だと感じていた。適応としては、傷痕とニキビ跡の瘢痕修正に限った方が良いと感じている。正常皮膚に対しては、ピーリングの強い作用が起こる。(これは、皮膚の防御反応である。)ただし、角質層より深く穴があくので顕微鏡レベルで穴は瘢痕組織化する。この為、繰り返すことで皮膚の硬化や保湿性の低下が懸念される。流行のように、平気で繰り返しやっているとあとで取り返しのつかない事もある。特に、医療機器なのに無資格(医師以外)の人間がよくわからず施術する例もあり、注意が必要である。

2012/9/12

最近こんな患者さんがいました。某美容外科で目の下の脱脂とホウレイ線のヒアルロン酸治療を受けたそうです。結果、目の下のタルミが残り、ホウレイ線に入れたヒアルロン酸が原因かひどく腫れたそうです。ダメだと思い、今度は別の美容外科でしわ取りのボトックス注射を受けましたが、どうも思うようでなく、どうしたら良いかわからず、脂肪注入を希望して来院しました。クボミは深くないのですが、ハリ感に乏しく全体に年齢の割にタルミ感が気になりました。まだ、若かったので近赤外線によるタルミ取りを勧め、良いように感じられました。2か所目の所でオーロラも受けたそうですが、そんな痛みも全くなく無事終了です。ボトックスは結果として、タルミが起こるので以後受けないようアドバイスしました。

2012/8/29

西澤形成外科クリニックホームページをリニューアルオープンしました。

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